揺れた阪神  原点戻れ

 阪神タイガースのゴタゴタは収まったのか…何かスッキリしない。
 揚塩健治・阪神球団社長(60)が、唐突に辞任発表した(9日)。3月、9月と2度も選手らの新型コロナウイルス感染者を出したことへの引責だが、シーズン途中の球団トップの辞任は異例。「球界全体にご迷惑をかけ…1日も早い混乱を収拾…私なりのケジメ」と会見で語った。

◆阪神は3月、球界で初めて藤浪ら新型コロナウイルスの感染者を出した。会食は「4人以内」「個室」「2時間以内」などの内規を定めたにもかかわらず、9月にまた同じ過ちを繰り返した。名古屋遠征時、福留、糸原らが内規を破る8人で会食、その後大量の感染者と濃厚接触者が出た。10選手とチームスタッフに制裁金を科した。

 選手も人、生活している限りは感染の可能性はある、ましてや若い…などと理解を示す声もないではない。感染したことでなく、プロである自覚と危機意識を欠き、内規・規則を破ったことが問題なのだ。球団管理体制もどうなっている!と言われても仕方ない。

◆ 巨人に大差をつけられ優勝の可能性が消えたとはいえ、阪神は戦績だけ見ればAクラスに踏ん張り、まだ順位も確定していないこの時期。ケジメは当然だが後任も決まっていない状況での発表、なぜ?
 かつてタイガースの親会社・阪神電鉄が買収を仕掛けられ、”ホワイトナイト”として手を差し伸べた阪急HD。2006年に経営統合した当初「球団経営は阪神が行う」と、阪神タイガースは“聖域”のように見えた。しかし年月とともに、親会社・阪急阪神HDは徐々に”阪急化“が進められてきた…2度目の感染を聞き、角和夫代表取締役会長兼グループCEOが激怒したとも伝えられた。そういった企業内力学・論理も透けて見えてくる。

◆揚塩球団社長が甲子園球場で、矢野監督に今季限りの辞任を伝えた際「フィールド外のことは監督の責任ではない」と、球団フロントが全責任を負う考えを示したという。フロントが責任を取れば終わる話ではない。
 矢野燿大監督(51)の続投も発表されたが、直後に矢野監督も内規を上回る人数で会食していた事も明るみに…何とも”.後味”悪く混迷状態。フロント、個々の選手の意識も含め、球団改革の時かもしれない。
 子どもたちに夢を与える、ファンあっての阪神タイガース。甲子園の「縦じま」はヒーローなんだから。

プロ野球 エリ質して
<2020.10.22 S>