ニュースキャプテン 喜怒哀楽

震度6弱 伝えること

2018/06/20 水曜日 - 18:00:17 by ニュースキャプテン
◆いつもより早く目覚め、新聞を繰っていたとき下から突き上げるようにグラグラッと来た(ついに南海トラフかと…)。ビーッビーッと不気味なスマホの緊急地震速報が鳴る。思わず這いつくばって、揺れがおさまるのを待つ時間が長く感じた。
18日7時58分に起きた大阪北部を震源とする震度6弱(大阪で初)の地震。すぐに津波の心配はないという情報。単身赴任の東京時代に起きた東日本大震災(2011年3月11日)、津波の猛威を思い出しひとまずはホッとする。
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社へ向かおうと駅に着いても、大阪の鉄道網は全線ストップ。いつ再開できるか、駅員でさえピリピリと「分かりません」。とにかく歩いてひと駅、道路沿いを来たこともあり運よくタクシーに乗ることができた。阪神大震災(1995年1月17日)のときは全く車はつかまらず大渋滞、それに比べるとまだ被害は少ないのでは、と感じる。
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◆制作報道部は”一種”騒然としていた。まず被害は死傷者は、そしてライフライン優先だ。鉄道は全面ストップ、断水、停電17万戸、ガス11万戸停止、エレベーター停止、休校は企業は…次々と情報が入ってくる。普段は放送しやすい記事にするが、その余裕がない。わずか1行2行の速報をつぎ足して記事にする。アナウンサーは、経験から淡々と着々と放送していく。
制作報道部長、アナウンサー部長の指示が飛ぶ。定時ニュースでは通常より詳しく長く伝える。それ以外に番組中にも情報を“差し込ん”でいく。住民の足であり速報性を求められる重要な鉄道情報は、刻々と止まることなく入ってくる。リスナーに伝える…素早く判断し臨機応変に状況をまとめていく松本アナウンサー。ニュースの間に読み原稿にし、別枠で的確に柔軟に放送する和田アナウンサー。また、地震直後でごった返す大阪駅で、藤川アナウンサーが会社員、女子大生らの声を聞き臨場感ある中継レポート・実況をした。チームプレーで伝え続ける。
私鉄、大阪メトロなど順次運転を再開していく中、JR大阪環状線がやっと動き出したのは14時間後、夜の10時だった。多くの「帰宅難民」を出すなど、またも都会の脆さを露呈した。
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そんな中、「京阪脱線」「京セラドームの屋根亀裂」「南千里駅が倒壊」…SNS上に心ないデマ情報もあった。命に関わる災害情報、看過できない。
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人的被害だけでも、違法建築で倒壊した小学校ブロック塀の下敷きになった女児、80歳代の男性ら計5人が死亡、負傷者は2府4県で400人以上に上った。被災地域各所では避難所が設けられ、発生3日目で1700人が不安な時を過ごす。体感数は少ないが余震は続き、30回を超える。追い打ちをかけるように梅雨時の雨、土砂災害も当分警戒しなければならない。何より被災者の心身が心配だ。
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◆世界有数の地震国日本。突然来る地震、内陸型活断層が走る近畿。今回の「大阪北部地震」のエネルギーは「阪神」の60分の1程だといわれるが、震源が浅かったことも影響したという見方もある。地震メカニズムの解明、知ることも重要だ。
そして、減災へ「命を守る」ために何ができるのか。
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伝える 誰かのために。
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「父の日」 なんだっけ?

2018/06/18 月曜日 - 20:00:50 by ニュースキャプテン
◆きのう6月17日(6月第3日曜日)は「父の日」だった。
直前に「ベストファーザー・イエローリボン賞」が発表される。37回目の今年は、長久手市長・吉田一平氏(72)、メルセデスベンツ日本社長兼CEO・上野金太郎氏(53)、落語家・林家たい平氏(53) 、ロックシンガー・ダイアモンド☆ユカイ氏(56)、ボクシング元世界チャンピオン・山中慎介氏(35)が選ばれた。実績、ビジュアルなど憧れのカッコいい父親たち…なのに相変わらず「父の日」は、「母の日」に比べると悲しいくらい盛り上がらない。
ヤフーショッピング・ネット通販調査(20~30代男女、3500人対象)によると、父の日に何か贈り物をするかの問いに55%が「贈らない」と答えた。2018年の「母の日」の市場規模(記念日文化研究所推計)は1170億円で前年比約35億円、3%の増加となったが、おそらく今年も例年通り「父の日」はその半分以下だろう。

◆父の日は、制定も母の日の「後づけ」であり、由来はいずれも米国からだ。100年以上前にさかのぼる。母の日に遅れること3年、1910年ワシントン州。南北戦争から復員した後6人の子どもたちを男手一つで育て上げた亡き父に「感謝する日」をと、ジョン・ブルース・ドット夫人が牧師協会へ嘆願して始まったとされる。意外に知られていないが、母の日のカーネーションのように父の日にも花があり、バラだ。ドット夫人が、父親の墓前に白いバラを供えたからとされている。
日本では遅く、1950年頃に広まったといわれている。実は前述の「イエローリボン賞」の名も、黄色い(身を守る、無事を願う意)バラを贈ったり、贈り物を黄色いリボンで巻いたことからだ。

母へのプレゼントには花、バッグなど小物雑貨、洋服、食事、スイーツ…選択肢が豊富で、子どもにとってずっと「近い存在」だから自然と良く知っている。一方、父には「何が好きなのか知らない」「面倒くさい」の声さえ聞こえてくる。かつては、せいぜいネクタイか左党の父親なら酒類くらい? さらに、母はあふれる笑み、言葉などリアクション”喜び方”も知っている…それに比べて、いつの間にか「遠ーい存在」かつ表現下手な父親勢。思いは同じや、などと言ったところで完敗だ。そんな親父たちには自分への褒美として、自己買い”セルフ父の日”という現象まで静かに浸透しているという。
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◆「地震・雷・火事・おやじ」。怖い存在であったのは、今は昔!? 背中で教える、それも多様な情報社会では”通じない時代”かもしれない。しかし、変わらないものもある。
生き物と生き物は出会いが始まり。その最初、生まれた時は誰かが差しのべてくれた手にすがるり、そして成長し生きていく。そこには絆がある。親は思う「どこの世界に我が子が可愛くない親がいるか」。
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さて、贈り物を貰えたか貰えなかったか。そんなことは…一年に一度、父を「思う」。そうしよう!!
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たかが父の日されど父の日。
<2018.6.18>

つまずいた若者たち 負けるな

2018/06/11 月曜日 - 18:00:59 by ニュースキャプテン

◆バドミントン日本代表に復帰した桃田賢斗選手(23歳、NTT東日本)の快進撃が続いている。5月の国・地域別対抗戦、トーマス杯で世界ランク1位のビクトル・アクセルセン選手(デンマーク)や、リオ五輪金のチェン・ロン選手(中国)を破り、日本の準優勝に貢献した。

21歳で世界ランク2位という絶頂期の2016年4月、違法カジノ店での賭博問題が発覚し無期限出場停止処分、メダル獲得を有力視されたリオ五輪出場資格も失った。まだ記憶に新しい。

出場停止が決まった2年前。フィジカル面強化からやり直し、好物だった菓子類も断った。体重数kgアップ、かつ持久力もつけた。 勝ちを急ぎすぎ”一人相撲”があったが、試合運びにも幅が出ている。支えているのは変化したメンタル面だ。インタビューでも「昔の自分はただ勝てばいいと思っていた」「あの(出場できない)時間が、人として成長させてくれた」と語っている…今、試合で観客へ向かってお辞儀する姿がある。

約1年前に世界ランク282位から再スタートしたが、12位まで上がった(5月現在)。 過去はあえて振り返らず「目の前の試合を感謝の気持ちを持って。それだけは忘れずに、戦っていきたい」。

桃田選手は地に足をつけ、先を見据えている。

◆アメリカンフットボールの「悪質タックル」から、はや1カ月余りが経つ。なお尾を引いている。スポーツ、大学とは組織の在り方とは…多くの問題を投げかけた。

名門、日本大学の選手が関西学院大学との定期戦(5月6日)で、パスを投げ終え無防備な選手に、背後からタックルしケガを負わせた。幾度となく流れた公開映像、誰もがスポーツでなく”暴力行為”と目を疑った。 アメフット関東学生連盟は日大・内田正人監督と井上奨コーチの指示を認定し、永久追放相当の「除名」、タックルをした選手・チームには「出場資格停止」とする厳しい処分を下し、内田氏は後に日大常務理事も辞任した。関西学院大の選手側は、告訴状を警視庁に提出している。当然のことである。

◆あまりに違ったのは、説明責任である会見だ。

最後まで「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)があった」とした日大側と、自らの言葉で語った当該選手の覚悟と勇気。

事実がようやく見えてきたのは、”加害者”となった日大アメフット部の宮川泰介選手(20)が、氏名を公表し行った記者会見だ。 「名前を出さない謝罪はない」(弁護士)と、日本代表にも選ばれたことのあるがっしりとした体躯で、カメラの放列を前に深々と頭を下げた。そして経緯・思いを訥々と、かみしめるように語った。日大側の会見に比べ胸に響くものがあった。

「『相手のQB(クオーターバック)を1プレー目でつぶせば試合に出してやる』と指示を受けた」

「たとえ監督やコーチに指示されたとしても、『やらない』という判断をできず…事実を明らかにすることが償いの一歩だと決意しました」

「(好きだった)アメフットが好きでなくなった。この先、競技を続ける権利は(自分には)ない」

負傷した関西学院大アメフット部のQB奥野耕世選手(19)も、関西大戦(5月27日)で実戦に復帰した後、取材に応じ「家族や先輩にも励ましてもらい、やっとここまで来られた」と語り、宮川選手に対しては「またフットボール選手として戻って、グラウンドで正々堂々と勝負できたら」と、エールを送った。

”迷走”を続けた「大人たちの会見」が恥ずかしい。

大学の主役は、言うまでもなく学生である。その「根幹」をないがしろにするなら、大学の存在意義はない。

◆スポーツに限らず、つまずきはある。責任ゆえに厳しく苦しいが、同時に周りの支えや感謝を知ることもできる時だ…多くを教えてくれた。

若者たちの未来 頑張れ。

<2018.6.11>

幼い命を守れない

2018/06/04 月曜日 - 19:00:59 by ニュースキャプテン

また幼い子どもの命が奪われた。憤りと悔しさを抑えられない。

新潟市の事件の第一報は、JR越後線で「小学生とみられる女児がはねられ死亡」だった(5月7日)。この”事故”はその後急展開、新潟県警が重大事件と見て捜査本部を設置したからだ。一気にマスコミも動き出した。被害者は近くに住む小学2年生の大桃珠生(たまき)さん(7)で、首を絞められた後、線路上に放置されたことが分かった。

1週間後に逮捕されたのは、大桃さんの自宅かつ遺棄現場からも近い所に住む23歳の会社員の男、小林遼(はるか)容疑者だった。「家族を介護したり、真面目で…」という評判が聞こえてくればくるほど、事件の残虐さにゾッとする感覚に襲われた。一方で、4月には別の未成年者連れ回しで書類送検されていたことも明るみになった。なぜ、この事実を事前に周辺住民に知らせられなかったのか…法の壁とはいえ悔やまれる。

そして同じ月の5月30日、2004年に岡山県津山市で当時小学3年生の筒塩侑子(つつしおゆきこ)さん(9)が殺害された事件で、別の事件で服役中の勝田州彦(くにひこ)容疑者(39)が逮捕された。侑子さんは帰宅直後に殺害された疑いが持たれ、面識はなかったという。

容疑者は2015年、姫路市の路上で中学3年生の女子生徒を刺し大けがをさせたとして逮捕され、岡山刑務所で服役中だった。岡山県警が、同じような手口の事件を調べる中で勝田容疑者が浮上した。「他にも複数回、危害を加えようと女の子に近づいた」と供述した。

少女たちの未来は無限であり、奪う権利は誰にもない。防ぐ方策はなかったのか。

米国では性犯罪者の顔写真などをネットで公開したり、「Three strikes law(三振法)」=重罪の前科がある再犯者が3度目の有罪判決を受けた場合、罪の軽重にかかわらず終身刑に処す=がある。韓国も児童に対する性暴力犯罪者にGPS(衛星利用測位システム)の装着が義務づけられ、現在では対象の罪種を拡大させている。日本国内でもかつて、橋下徹知事時代の大阪府などが同様の条例を検討したこともあるが、制定までには至らなかった。

前歴者の人権侵害、更生への妨げ、監視社会への危惧…導入論議のたびに、必ず強い反対がある。難しい判断も求められる。しかし最優先されるべきは、幼い子どもをはじめ社会的弱者を守ることではないのか。

大桃さんの家族「大切な存在である娘を思いがけない出来事で失い、悲しみの中におります。この状況を受け止めることは難しく、犯人が捕まったとしても娘が戻ってくることはありません」。

筒塩さんの家族「侑子は小学3年のまま、時は止まってしまっている。犯人を到底許す気持ちはありません」。

悲惨な事件のたびに思い出したように再発防止策が叫ばれるが、未だ実施されていない。

もう終わりにできないものか。

<2018.6.4>