前見つめ 2人のエール

■勇気!大阪女子マラソン
 第40回大阪国際女子マラソンは東京五輪代表の一山麻緒(23)が2時間21分11秒、18年ぶり大会記録(野口みずき2時間21分18秒)を更新し初優勝を果たした。

 今回は新型コロナウイルス禍、異例ずくめの大会となった。感染予防の一環として従来の市街地を巡る形から、長居公園の1周約2・8キロを約15周する平坦コース、ヤンマースタジアム長居競技場ゴール。
 42.195㎞。同じ風景の繰り返しにメンタル面の影響を指摘する声も多かったが、初の男子選手ペースメーカーの川内優輝(33)らが的確に、時に声をかけたりしながら引っ張った。

 スタートから一山と前田穂南(24)の東京五輪代表同士の一騎打ち。予想通りとはいえ、数人の選手の駆け引きがないは寂しく、次の世代選手の食らいつきを望むのは欲張りか?!
 一山が”一人旅”の最終盤では、トラックレースのようにラスト1周を知らせる鐘が鳴り響いた…新鮮で、頑張れ!の声援に聞こえた。沿道で応援してもらうことはできなかったが、その思いは選手に伝わったはずだ。
 そしてゴールのスタジアム入り口で、一山のペースメーカー川内、岩田勇治が静かに離れた。大会前に「完走したとしてもゴールシーンに映り込むような無粋なまねはしない。あくまでも黒子」と話したように…今回の難しいペースメーカーの使命を十分に果たした。もう一つの感動、拍手を送りたい。 
 一山麻緒はインタビューで涙ぐみ「大会を開催してくださった全ての方に感謝でいっぱい。私の力 不足で日本記録(野口2時間19分12秒)を更新できず…」と悔しさも見せた。閉塞感の今、その果敢な走りにこそ感謝したい。

 来年は大阪城、御堂筋を再び駆け抜ける!

■田中お帰り!楽天
 米大リーグ、ヤンキースからフリーエージェント(FA)となり、8年ぶりにプロ野球楽天への復帰が決まった田中将大投手(32)が入団会見(1月30日)。「東日本大震災から10年。自分にとって意味のあるタイミングじゃないかと思い、決断に至った。とてもワクワクしている」と意気込みを語った。

 冒頭、三木谷浩史オーナーは「コロナ禍で苦しい中、楽天に帰ってきてくれるということで、男気、心意気にも感謝している。東北、日本、世界を熱くする投球を見せてくれると思う」と期待を込めた。
 日本球界史上最高となる推定年俸9億円(推定)での2年契約。

 会見では2013年楽天を去ったときに、また戻るという思いはあったかと聞かれ「日本に必ず帰り、キャリアの晩年ではなくいいタイミングでばりばり投げたい思いはあった」。
 「(2年契約だが)1年が終わったらまた話をする機会をもらっている。どうなるかわからないが、米国でやり残したことあると思っている。選択肢は捨て去りたくなかった。腰掛けではなく、本気で日本一を取りに行きたい」。
 さらに東京五輪への意気込みも語った。「2020年では出られない立場にあったなか延期になり、日本球界に戻って出るチャンスがある。心から出たいと思っている。2008年北京五輪では悔しい思いをした。金メダルを取りたい」。
 そして8年前、最後にキャッチボールをしてから渡米した、亡き野村克也元監督に話が及ぶと「野村監督の下でプロのキャリアをスタートした。感慨深いものがあった。監督の教えとして、外角低めに投げる練習は胸に刻み込んで続けたい」。

 言葉を選んで話した記者会見。駒大苫小牧のマーくんの姿はなく、今やメジャーを代表する投手である自信の表れ、風格が漂っていた。
 日米177勝(メジャー78勝、日本99勝)。baseballの世界で堂々たる成績の実力、日本の野球界にも大きなものを伝えてくれるのは間違いない。

止めない スポーツの力
<2021.2.1 S>

*コロナ禍の中、この報道コラム「喜怒哀楽」は変わらず人を出来事を見つめていきます。S