漢字 「密」に勝る「笑」

 年末の一つの風物詩、世相を漢字一字で表す「今年の漢字」が、京都・清水寺で「密」と発表された(14日)。新型コロナウイルスに苦しんだ1年、「3密」に揺れた国民の心が反映されたといえる。
 日本漢字能力検定協会が毎年公募し26回目。2位に「禍」、3位は「病」が続いた。4位「新」、5位「変」、6位「家」、7位「滅」、8位「菌」、9位「鬼」、10位「疫」。
 揮毫した森清範貫主(かんす)は「密は心のつながりも表す。コロナ禍で国民や医療従事者が苦労している中、いい年になるよう祈念して書きました」。

◆政界も揺れた1年。
 「今年の漢字は『働』という字です」…安倍晋三前首相の辞任で8月に誕生した菅義偉首相。「国民のために働く内閣、こう銘打っている」と説明した。
 11月の都構想再挑戦も否決。吉村洋文大阪府知事は「2つ、頭の中にある」と「病」「疫」を挙げた。「どちらかということなら、疫ではないか。あまり前向きな漢字でないので選びたくないが、率直に振り返ったらそう」。

 すべての人に、それぞれ”今年の漢字”がある。そして踏ん張ってきた。

◆ 興味深いのが、小学生が選ぶ「今年の漢字」。トップ3は「笑」「幸」「新」だという。ベネッセホールディングスが小学3年生~6年生7,661人の調査結果を発表した。

 1位の「笑」は284票で「コロナでも笑顔で頑張れた」「家族や友達といっぱい笑った」などが理由に。2位は「幸」250票、「学校に行ける幸せ感じた」「家族と過ごす時間が幸せ」。3位は「新」178票で「コロナで新しい生活」「新しい世界や楽しみを味わった」などだった。4位「嬉」、5位「悲」、6位「友」、7位「苦」、8位「恋」、9位「心」、10位「鬼」。
 新型コロナウイルス禍で生活変化の連続にかかわらず、トップ3すべてポジティブで前向きな漢字に驚いた…変化を新しい経験として、楽しみや幸せを見つける。家族や友達と充実した日々を送っていた事がうかがえる。

 また憧れる人の調査で1位に「鬼滅の刃」の主人公「竈門炭治郎」(618票)、2位に「お母さん」(393票)が選ばれた。共通点は「優しい」「家族のため頑張っている」だという。 

 参った!やるなぁ!子供たち。ポジティブ漢字、憧れるお母さん…嬉しいじゃないか!大人たちも、見習いたい。

苦の中こそ 前向き心
<2020.12.23 S>
*コロナ禍に揺れた令和2年もあとわずか。報道コラム「喜怒哀楽」は、変わらずに人を出来事を見つめていきます。S