夏の夜空 大輪エール

    全国各地の夏の夜空に一斉に花火が打ち上がった(22日)。29都県81の花火業者が参加したという。

◆新型コロナウイルスの感染拡大防止で3密を避けるため、、打ち上げ時間や場所は事前に明かされなかったが、「大曲の花火」で知られる秋田県大仙市=写真=や東京都の旧築地市場跡地などで”大輪の花”が咲いた。

企画した「日本の花火を愛する会」は・新型コロナウイルスの影響で不自由な生活を続ける皆さん応援・「しあわせ」を提供してくれる花火業者激励​・亡くなられた方々への鎮魂と慰霊・献身的従事を続ける医療関係者に感謝激励・見えない悪疫退散への願いをこめてーとしている。

◆日本の花火の初使用が、いつどこで行われたかは明確でないが、遅くとも戦国時代に鉄砲・火薬とともに鑑賞用の花火が伝来したとされている。

「花火の記録」としては、伊達政宗の米沢城で、1589年8月夜、花火を見物したというもの(『伊達天正日記』など)や、1613年8月に徳川家康が駿府城で中国・明の商人から火の粉が筒から吹き出る花火を見せられたという記録(『駿府政事録』など)がある。
今も時々聞く掛け声「タマや〜」「カギや〜」は、江戸時代の夏を彩った”花火業”の屋号「玉屋」「鍵屋」からだ。

◆東京勤務時代、2001年9.11(NY・米中枢同時テロ)が起きる直前の夏。東京湾をのぞみ左手に台場、右手に東京タワーが見える”社宅”マンション28階から隅田川の花火を観た。見下ろすように観た弾ける炎、綺麗で快適だった…だが何か物足りない。響く音、火薬の匂い、そして汗、やはり本来の良さが伝わってこないと感じた。

◆今夏は移動もままならず墓参さえ行けず、on-lineで花火を楽しんだ人も…新型コロナウイルス収束を願うだけでなく、大切な人や故郷を思い、癒やしと力をもらった人も多いだろう。技術を活用する新しい生活は、今後ますます重要になってくる。だが、日本の夏を肌で知ることもまた忘れたくはない。

来夏は浴衣うちわ姿で、あの音と独特の匂いを嗅ぎながら、日本の夜空の芸術を味わいたい。

日本の夏 乗り越える

<2020.8.24    S>

*「喜怒哀楽」110回を超えました。変わらずに、人を出来事を見つめ伝えていきたいと思います(原則月曜・不定期)。S