新型肺炎 拡大阻止こそ

 中国武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染は1万7千人を超え、死者は350人以上に上った(2月3日)。人から人へ感染、中国の春節とも重なり…世界中で日々増え続けている。
 また米英仏独、香港、タイや豪州、北欧スウェーデンまで、中国以外での感染者が確認された国・地域は20以上。日本国内でも感染者は20人となった。

◆ 世界保健機関(WHO)は3回目の緊急委員会でようやく、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言した(1月31日)。
 国際社会を意識した中国は、2002〜2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)発生時に比べ、”早め”情報公開などを行った。「武漢封じ込め指示」も出されたが、約500万人がすでに”脱出”した後だった…今なお、感染源については明確になっていない。

◆中国市場には、日本企業が多く進出している。自動車、電機、食品、小売…すべての業種にわたる。日本政府はチャーター機4便に分けて、武漢市から日本人約600人を帰国させた。依然、春節休業を延長せざるを得ない企業が相次いでいる。日本だけでなく、中国から国外への観光客は大きく増えた。今の状況が続けば世界経済にも打撃となる。

◆日本政府は、2月7日施行予定だった感染症法の「指定感染症」にする政令を1日施行に前倒しした。安倍首相は「これにより、入国しようとする者が感染しているなら入国拒否する」。
 今後は、増えると予想される感染者を速やかに受け入れる病院・施設の確保が重要だ。海外のように島に一時”隔離”でなく、拡大阻止へ重症者抑制へ万全の対策こそ。

◆ 新型コロナウイルス肺炎の感染力は強いが、SARS(世界700〜900人死亡)に比べ今のところ死者・重篤者率は低い。うがい・手洗い、ウイルスが弱いアルコール消毒、マスク着用の徹底で対処できる。冷静な対応が必要だ。
 大阪府感染症情報センターによると、感染力はインフルエンザ並みか低いとみられ、現時点では致死率も2%ほど。「ほとんどは回復しており、現段階では恐れるほどではない」と指摘している。
 しかし無症状感染への限界もあり、3次感染を避けるためには…そしてもう一つ怖い、心ないデマと中傷。国の正確で早い情報発信とともに、個々もしっかり情報をとらえなければ。

正しく恐れ 正しく対処
<2020.2.3 S>