ゴーン被告逃亡 法とは

 前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)がレバノンに逃亡した年末年始の衝撃ニュース。不法出国はプライベートジェット機に持ち込まれた音楽設備用の大型ケースに隠れて…まるでスパイ事件だ。

◆米ウォールストリート・ジャーナルは「多国籍15〜20人のチームが関与した」。元米軍特殊部隊グリーンベレーの何人か同行したという。また「関西空港は大穴」と甘い検査体制を指摘、日本の空港に汚名も着せられた。

◆保釈を認めた裁判所、日本の法曹界は汚点だ。
 保釈は逃亡や証拠隠滅などがないと判断されなければ認められない。確かに事案が多い都会など、微罪でも調べが遅く再逮捕や起訴後勾留など長い拘束制度、遅い公判など問題も多く是正すべきだ。しかし微罪でなく国の基幹企業トップの罪、海外からの「人質司法」批判に揺らいだ…本末転倒。
 また、莫大な資産を有するゴーン被告。逃亡資金は20億円以上とみられ、没取された15億円の保釈保証金額が妥当かどうか。35億円以上でも”自由”が買えれば、ということだろう。甘すぎる見通し…司法よ大丈夫か。
 日産側も手放しでいいとは言えまい。長年の悪習を内部でただせす、司法取引の末の起訴も情けない。

◆森法相が「不法出国に当たる犯罪で誠に遺憾」、菅官房長官も「(身柄引き渡しについて)さまざまな外交的手段を行使しながら総力を挙げる」と述べた。
 しかし、日本と引き渡し条約を結んでいないレバノンは応じない構え…国内法を超えた国と国との関係。第3国を通じた外交ルート、強硬な実力行使、金銭含めた裏ルートの”奪還”しかないのか⁈

◆ゴーン被告は逃亡先のレバノンで、約50社のメディアを前に会見した(8日)。多数の日本メディアが出席を要請したが認められず、大半が”ゴーン被告寄り”メディア。日本の司法批判し西川前日産社長らによる「陰謀」と、海外に向けて自論展開に終始した。具体的な逃亡方法や、注目された日本政府関係者の名前はレバノン政府に配慮して言及せず…会見がレバノンでなければならない理由は何もなかった。

 ゴーン被告は、日本の法廷に立ち弁護団とともに正々と反論するべきだ。このまま”故郷”レバノンで余生をと思っているのだろうか…それがすんなり通るなら、国際社会と言えない。

問われた 国と法
<2020.1.9 S>