マクロン揺れた「黄色いシャツ」

◆12月8日(土)のフランスの首都パリは、蛍光の黄色いシャツを着た人々で埋め尽くされた。マクロン政権の燃料税引き上げに、トラック運転手や農業従事者らが抗議して大規模デモを行ったからだ。全土でデモ参加者は13万人、2000人近く拘束、負傷者は250人以上に上った。

「黄色いベスト(ジレ・ジョーヌ)運動」。車を使う業務に就く者には、路上で車から離れるときの安全のため黄色のベスト着用が義務づけられている。

デモに便乗しブランド店への襲撃・略奪も起きた。その映像は世界中に流れ、世界トップの観光地は地に堕ちた。

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◆マクロン大統領は史上最年少の39歳で就任し1年半。地球温暖化防止策として「2040年にはディーゼル車・ガソリン車をなくし、電気車にする」と打ちあげた。EUの盟主としての面目もある。しかし燃料税の引き上げは、月収の3分の1近くもガソリンや軽油に費やさざるを得ない農業従事者まで生んだ。

一方で「富裕税」(純資産が多い裕福な国民に課す税)を廃止した。金持ちの味方政権と揶揄される所以だ。デモは、社会格差に対する怒り・悲鳴が爆発したと言える。

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◆このデモには、フランスならではの歴史と国民性もある。民衆蜂起で王政を倒したフランス革命(1789年)、1968年の「5月危機・革命」では1年後にドゴール政権が倒れた。「不正義には行動を起こす」「デモで政治を変える」…日本にはない”心意気”が、フランス国民の根底にある。

事実、シャンゼリゼ通りやブランド店を襲い暴徒化したデモにも「政府の対応が遅いからだ」「便乗する過激派が悪い」と、住民はデモへの批判が少なかった。

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◆クリスマスも近づき華やかになってきたパリ。12月15日、22日の土曜日も6週続けて大規模デモは行われたが、少しずつ収まる気配を見せた。水面下で議院、仏経団連や労組代表らとの協議もしているというが…いずれにしろ世論・民意を軽く見た若い政権に、きつい”お灸”となったことは間違いない。

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政治動かした 怒りの労働者

<2018.12.24    S>