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73回目 命つなぐ夏

広島(8月6日)と長崎(8月9日)に、平成では最後となる73回目の「原爆の日」がきた。

◆いずれも安倍晋三首相、被爆者や遺族、各国代表らが参列し平和を祈る式典が行われた。長崎では、初めて国連のグテレス事務総長も参列し「長崎を惨禍で苦しんだ地球上最後の地にしよう」と呼びかけた。松井一実広島市長、田上富久長崎市長ともに「核兵器のない世界の実現へ国際社会の行動・責任」を求めた。

しかし、いぜん核保有国は現存する。五大国(米、英、仏、露、中)やインド、パキスタン、北朝鮮…まして日本は”核に囲まれている”という現実下にある。

◆新聞各紙には「核廃絶、平和誓う」「風化させぬ」など、例年と変わらぬ大見出しが並ぶ。まるで去年のコピーのようなものまである。”大局報道”分からなくはないが…伝わってこない。

◆広島の平和記念式典で子どもを代表し、米広優陽君(市立五日市東小6年)と新開美織さん(市立牛田小6年)が「平和への誓い」を宣言した。「僕らが原爆の事実を受け継がないと、今まで被爆者の方が語ってきてくれた意味がなくなってしまう…私たちが学んで心に感じたことを伝える伝承者になります」。猛暑の青空に大きな声が響いた。聴く者の心にも響いた。伝わった。

長崎では「高校生平和大使」ら国内外の高校生ら120人による”若者集会”も行われた。全員で黙とうした後、原爆投下中心地を示す碑を囲んで手をつなぎ「人間の鎖」をつくった。米ハワイ州から参加した女子高生、ブルーク・ボルトンさん(17)は「世界の若者が連携することで、平和な世界に変えていけるはず」と思いをぶつけた。

◆被爆者(被爆者健康手帳所持者、2018年3月末現在)は15万人以上で年々減少、平均年齢は82歳を超えた。

8月6日、86歳女性が広島女学院高等女学校修了証を授与された。13歳1年生のとき被爆した内田瞳さん(86)。両親を亡くし幼い弟妹を養うために、学業を諦め働いた。「これで胸を張って女学院の生徒だったと言える。子どもや孫にも見せたい。宝物です」。

5歳のとき広島で母妹を亡くし、4年前の豪雨土砂災害では、救助隊員に「妻を先に助けてくれ」と懇願した夫を失った。自身も左足切断の大けがを負った宮本孝子さん(78)は言う。「夢や希望のある若い子が、同じ目に遭ってはいけないじゃろ」。

◆悲惨な事実を見つめ、生きてきた道のりを思う…それが忘れないこと、命をつなぐこと。せめて、毎年巡りくるこの暑い夏には。

明後日8月15日は「終戦の日」。

二度と起こさない  伝える夏

<2018.8.13    S>

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