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歌は世につれ 世は歌につれ

◆ボブ・ディラン(77歳・1941年生まれ)が7月29日、ノーベル賞受賞後初の日本公演を行なった。新潟での野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」の最終日に登場し、エンディング「風に吹かれて」など16曲、文字通り風に吹かれて聴くファンを魅了した。

2016年、ミュージシャン初のノーベル文学賞受賞は世界を驚かせた。受賞理由は「偉大な米国の歌の伝統の中に、新たな詩的表現を創造した」だったが、政治的活動も影響したことは否めない。

◆歴史にifは空しいが、もし生きていたら先に受賞しただろうと思うミュージシャンがいる。ジョン・レノン(1940年生まれ)。

1980年12月8日ニューヨーク。元ビートルズメンバーでソロ音楽家、政治・平和運動でも世界的名声を得ていた40歳のとき射殺された。妻ヨーコ・オノと帰宅した高級集合住宅入り口で、幼少期にビートルズ好きだったマーク・チャップマン(25)の銃弾に倒れる。その6日後、ヨーコの呼びかけに応えた数百万の人々が世界中でジョンを追悼し、10分間の黙とうを捧げた。ニュースとして世界へ流れ、日本でも伝えられたのを覚えている。

世界の同じ時間に、数百万人の心をつかむ。そんな人間がいただろうか、政治家でもいまい。

◆青春時代、日本ではフォークや歌謡ポップス全盛だった。団塊世代でもなく新人類でもない、自虐的に?言えば”中途半端な世代”か。

同世代といえば中3トリオ。山口百恵が引退したとき、恥ずかしながら「青春の区切りか」などと感じた。くすんだ心と希望が交錯したアリスの「遠くで汽笛を聞きながら」、かぐや姫の「22才の別れ」は地で行った。ポプコン・グランプリ受賞の中島みゆき「時代」や、忘れ得ぬ人が浮かぶ荒井由実の「卒業写真」…聴けば不思議とその時代・人・情景が迫ってくる。気づかずに癒やされ、背中を押してくれていた。

◆そんな1970年代に歌謡界を牽引した「新御三家」の一人、西城秀樹(63)が5月16日死去した。

高校の音楽室、ヒデキをまねてスタンドマイクを蹴り上げていた。とにかくカッコよかった。2度目の脳梗塞のあとの姿に、ファンからは「見たくなかった」の声が聞かれた。それでも自分を”晒し”ステージに立ち、病気のことも語り続けた。最期までカッコいいじゃないか。

東京・青山葬儀所での告別式には、喪服のオッさんオバさんら(失礼)1万人以上が集まった。出棺のとき♫ブルースカイブルーが流れ、外苑東通りまで大合唱が響き渡った…今も時々思い出す、演出を超えた”ラストコンサート”だった。

できるなら、80歳のYOUNG MANが見たかった。

◆「歌は世につれ世は歌につれ。時代を超えて語り継ぎたい歌がある」…それぞれに、それぞれの時代がある。涙して励まされ、そして皆見えない力をもらった。

歌っていい!いつの世も。

<2018.8.6 S>

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