台風 「意識」と「備え」

 九州のほぼ全域を暴風域に巻き込みながら北上した台風10号。2人が死亡、九州を中心に100人以上人が重軽傷を負った。避難者が一時11県で2万人を超え、JR九州は在来線、新幹線とも寸断された。宮崎県椎葉村の土砂崩れでは、4人が安否不明になっており、県警が懸命の捜索活動を続けた(8日)。

◆気象庁が何度も行った「特別警報級」と言う会見。またJRの新幹線などの予告運休。「雨風が強くなってからでは身動きできません。今のうちに準備を」など、やや大袈裟なくらいの注意喚起が、被害を抑えたとも言える。またSNS情報や自治体指示より先に準備、自ら避難した住民の意識もあった。
 異常気象と言われ久しいが、今やこれが普通と考えて対処するのが賢明だ。

◆今回例えられた伊勢湾台風(死者不明5千人以上。阪神大震災まで自然災害、国内最多の犠牲者)。発生した昭和34年、三重県四日市市生まれの筆者は赤ん坊。記憶にはないが「畳ごと流されそうになった」と母から聞いている。当時は海沿いの防波堤もなく、海からすぐに漁師町が広がっていた。台風が去った跡は、町はまるで”砂浜”だったと聞いた。
 防災・減災情報は格段に多くなったが、「意識」「備え」の基本は変わらない。

◆今年の「環境危機時計(旭硝子財団調査)」が、最も深刻だった2018年に並ぶ「9時47分」と発表された。深刻さは0時01分から12時までで表現、9時を過ぎると「極めて不安」な状態を表す。去年から1分進んでいる。日本は7分も進み、世界平均に匹敵する「9時46分」。最も危機的と位置づけられたのは「10時33分」の北米。
 時計が進んだ要因は、北極圏の高温、アメリカの山火事、オーストラリア森林火災…温暖化と異常気象。発展と自然のバランス。地球規模で動くべき時という人類への警鐘か。

◆近年、日本近海の海面水温も高いと言われている。台風の季節は続く。
 コロナ禍、異常気象…いま一度、「備えあれば…」を考え命を守る減災。そして地域の家族の共助、絆も。

異常気象 地球の命
<2020.9.8 S>