喜怒哀楽 2018

平成最後の年、戌年が終わる。災害列島、目に余る不祥事、若者たちの快挙…ニュースは色々あった。

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◆喜◆

【こんにちは大阪万博】

2025年万博が大阪で開催されることが決まった(11月23日)。ロシア・エカテリンブルクとアゼルバイジャン・バクーを破り、高度成長期の1970年「こんにちは~こんにちは~」以来、55年ぶり2回目だ。継続こそ力、誘致を牽引した産官学の連携を7年間期待したい。
テーマは最先端技術を集結させた「いのち輝く未来社会デザイン」だが、忘れないでほしい。大阪には誇れる歴史、文化、芸能、食…魅力がいっぱいあることを!
幻の大阪五輪「負の遺産」の人工島・夢洲、今度こそ”夢の島”へ。
【2人の「大」快挙】
▼テニスの全米オープンで大坂なおみ選手(20)が、4大大会=全英・全仏・全米・全豪=シングルスで日本勢初の優勝を果たした(9月8日)。
大坂選手はハイチ出身の父、日本人の母の間に大阪で生まれ3歳で米国へ。褐色の肌をした大坂選手の快進撃に、日本中の多くのファンが感動した。一方で「純粋な日本人と違うしなぁ…」などと”心ない”声もあった。今の時代、他国にもルーツを持つ選手の活躍、さらなる健全社会への後押しとなってほしい。
「トンカツ、カツ丼、カツカレー…抹茶アイス」。インタビューの受け応えに、日本女性の素顔、魅力も見せてくれた。
▼米大リーグ・ロサンゼルスエンゼルスの大谷翔平選手(24)が、アメリカンリーグの新人王に選出された(11月12日)。日本人選手として、1995年の野茂英雄投手、2000年の佐々木主浩投手、2001年のイチロー選手に次ぎ17年ぶり4人目の偉業だ。
しなやかな193㎝、本場ベースボールを驚愕させた投打の「二刀流」。シーズン前に「できるわけがない」。調子が上がらない姿には「高校生レベル」とまで酷評されたが、米国で最も愛される神様・ベーブルース以来、約1世紀ぶりの二刀流50投球回・15本塁打を達成した。
来季は打者に専念し、どんな記録を刻んでくれるのか…2020年には進化した二刀流が帰って来る!

◆怒◆
【恥を知れ不祥事】
文部科学省の私立大学支援事業対象校選定の見返りに、東京医科大学に息子を合格させたとして、文科省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が受託収賄の疑いで逮捕された(7月4日)。
この事件をきっかけに次々と医学部の不正入試が明るみになった。厚生労働省が全国81大学を調査し、複数の大学が女子に対して一律減点などを行った疑いが生じた。その後、計10大学の医学部が募集要項には記載のない得点調整を行っていたことが明らかになった。この事件がなければ闇の中だったのかと思うと…。
襟をただせ!国を牽引するべき官僚、命を預かる医学部…この国の将来は大丈夫なのか。
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【許せぬタックル】
名門、日本大学アメリカンフットボール部の選手が関西学院大学との定期戦で、パスを投げ終え無防備な選手に背後からタックルしケガを負わせた(5月6日)。幾度も流れた公開映像、誰もが”暴力行為”と目を疑った。
関東学生連盟は日大・内田正人監督と井上奨コーチの指示を認定し永久追放相当の「除名」、タックルをした選手・チームには「出場資格停止」処分を下した。
最後まで「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)があった」とした日大側に比べ、自らの言葉で語った当該選手の覚悟と勇気の記者会見に清々しさを感じた。”加害者”となった日大選手は「名前を出さない謝罪はない」と名前を公表してカメラの放列を前に深々と頭を下げた。そして経緯・思いを訥々と、かみしめるように語った言葉は聞く者の胸に響くものがあった。
日大側の”大人たちの会見”が恥ずかしい。

◆哀◆
【地震 女児の死】
6月18日の朝、最大震度6弱の地震が大阪府(大阪市北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市)を襲った。多くの死傷者を出し、家屋損壊、帰宅困難者があふれた。またも都会の脆さを露呈した。
高槻市の小学校でブロック塀が倒れ、登校途中の小学4年生の女児が下敷きになり死亡。倒壊した塀は、建築基準法施行令に定められた高さ基準をはるかに超えていた。文部科学省は、全国の小学校・中学校設置者に対して敷地内のブロック塀についての緊急点検を実施するように要請した。なぜ起きてからなのか後手なのか、悲しく悔しい。
世界有数の地震国日本。改めて「命を守る」ために何ができるのか、人類に問われている。
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【お願いノート】
「しっかりとじぶんから  きょうよりも  もっともっと  あしたからはできるようにするから  もうおねがい  ゆるして  ゆるしてください  おねがいします」
3月に東京目黒区で度重なる虐待を受けていた5歳女児が死亡し、両親が逮捕された。許せない!何とかできなかったのか、といたたまれない。社会、地域の問題もあぶり出した。児童相談所の一層強い権限も望まれる。
父親は、女児に太っているとして減量を命じ食事も制限。朝食はスープのみ、昼食は茶わんに3分の1のご飯とみそ汁、晩ご飯は茶わん半分程度のご飯という日が続き1日1食の日もあったという。痩せ細り亡くなる10日前まで書いていたというノートが発見、冒頭のひらがな文字が書かれていた。
涙を堪えられず、哀しく憤りが抑えられない…虐待もう終わりにできないか!

◆楽◆
【ジャパンの光】
波乱のロシア大会と言われた2018年W杯サッカー、サムライブルーは初の8強の悲願を砕かれた(7月2日)。しかし確実に”世界の扉”をこじ開けた。
決勝トーナメント初戦。優勝した仏を準決勝で苦しめたベルギー相手に、アディショナルタイムに3点目を奪いにいった西野ジャパン。10秒足らずの圧巻カウンター攻撃に2-3で敗れたが、海外メディアは「黄金世代ともいわれる”赤い悪魔”を本気にさせた」。 敗戦後「他に戦い方があったはずだ」と、厳しい指摘もあったが…過去出場5回のような”弱者のサッカー”から抜け出し、貪欲に勝利をとりに行った。地に足をつけた戦略サッカーができるようになった。
世界の舞台で「自信」、4年後の光が見えた。
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【おにぎり楽し!】
「ミシュランガイド東京2019」が11月発売。いつものように「すきやばし次郎本店(寿司)」「カンテサンス(フレンチ)」などが12年連続で卓越した料理を意味する「三つ星」を守った一方で、なんと「おにぎり」が登場した!星評価ではないが「価格以上の満足・5000円以下で楽しめる」と位置づけられる「ビブグルマン」に選ばれた。店名は「おにぎり 浅草 宿六」。創業1954年、三代続く東京で一番古いおにぎりの専門店で、現代まで愛され続ける老舗だ。
遠足、運動会、弁当…日本人で.おにぎりを一度も食べたことのない人はいまい。それは母の味とも言える。
飽食の時代、そんな国民食ソウルフードがミシュランガイドに取り上げられた…やるじゃないか!

人を時を見つめ 平成大晦日
≺2018.12.31    S≻
*2018年ありがとうございました。読まれた方が、少しでも「喜び、怒り、哀しみ、楽しさ」を感じていただければ…筆を続けていきたいと思います。

マクロン揺れた「黄色いシャツ」

◆12月8日(土)のフランスの首都パリは、蛍光の黄色いシャツを着た人々で埋め尽くされた。マクロン政権の燃料税引き上げに、トラック運転手や農業従事者らが抗議して大規模デモを行ったからだ。全土でデモ参加者は13万人、2000人近く拘束、負傷者は250人以上に上った。

「黄色いベスト(ジレ・ジョーヌ)運動」。車を使う業務に就く者には、路上で車から離れるときの安全のため黄色のベスト着用が義務づけられている。

デモに便乗しブランド店への襲撃・略奪も起きた。その映像は世界中に流れ、世界トップの観光地は地に堕ちた。

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◆マクロン大統領は史上最年少の39歳で就任し1年半。地球温暖化防止策として「2040年にはディーゼル車・ガソリン車をなくし、電気車にする」と打ちあげた。EUの盟主としての面目もある。しかし燃料税の引き上げは、月収の3分の1近くもガソリンや軽油に費やさざるを得ない農業従事者まで生んだ。

一方で「富裕税」(純資産が多い裕福な国民に課す税)を廃止した。金持ちの味方政権と揶揄される所以だ。デモは、社会格差に対する怒り・悲鳴が爆発したと言える。

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◆このデモには、フランスならではの歴史と国民性もある。民衆蜂起で王政を倒したフランス革命(1789年)、1968年の「5月危機・革命」では1年後にドゴール政権が倒れた。「不正義には行動を起こす」「デモで政治を変える」…日本にはない”心意気”が、フランス国民の根底にある。

事実、シャンゼリゼ通りやブランド店を襲い暴徒化したデモにも「政府の対応が遅いからだ」「便乗する過激派が悪い」と、住民はデモへの批判が少なかった。

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◆クリスマスも近づき華やかになってきたパリ。12月15日、22日の土曜日も6週続けて大規模デモは行われたが、少しずつ収まる気配を見せた。水面下で議院、仏経団連や労組代表らとの協議もしているというが…いずれにしろ世論・民意を軽く見た若い政権に、きつい”お灸”となったことは間違いない。

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政治動かした 怒りの労働者

<2018.12.24    S>

ミシュラン おにぎり嬉し!

「ミシュランガイド東京2019」発売。「すきやばし次郎本店(寿司)」「カンテサンス(フレンチ)」などが12年連続で卓越した料理を意味する「三つ星」を守った一方で、なんと「おにぎり」が登場した!星評価ではないが「価格以上の満足・5000円以下で楽しめる」と位置づけられる「ビブグルマン」に選ばれた。

(今焦点の人・カルロス・ゴーン容疑者=前日産会長=は、このミシュランガイドを発行する世界のタイヤメーカー、ミシュランに”新卒”として入社している)

◆店名は「おにぎり 浅草 宿六」。創業1954年、東京で最も古いおにぎり専門店だ。白ご飯が「銀シャリ」と呼ばれご馳走だった時代、老若男女に幅広く食べて貰えるようにと開業。以来、三代続く東京で一番古いおにぎりの専門店で、現代まで愛され続ける老舗だ。

◆今回のおにぎり専門店のような客単価1000円程度の店であっても、これまでにうどん、お好み焼き、おでん、餃子などが掲載されている。中でも2015年、世界で初めてラーメン専門店に星が付いたのは記憶に新しい。

ハワイでは日系移民の歴史から、MUSUBIはポピュラーだ。欧米でもONIGIRI店が現れ、ヘルシーな健康食として、アニメの影響もあり盛り上がりつつある。

◆当然、おにぎりの歴史は古い。

起源は平安時代の「屯食」(とんじき)という食べ物だと考えられている。「屯食」は大型の楕円形(1合半)で蒸したもち米だった。

「最古のおにぎり」と言われているのは、石川県の弥生時代遺跡から出土(1987年)した炭化した米粒の塊だ。

鎌倉時代からはうるち米が使われ、飯を握り固めたものか焼き固めたものになった。

江戸時代には浅草海苔が普及し、栄養もあり、表面に貼れば手に飯粒が付着せず、海苔はおにぎりに付き物となった。

戦場の携行食・兵糧としては言うまでもないが、武士の時代、明治から昭和の軍隊でも兵食の基本。ただ水分が多く熱帯などで腐敗しやすく、寒冷地では凍結しやすいという難点…乾パンなどの優れた糧食開発を呼ぶことになった。

◆おにぎり、おむすび、握り飯の名前・形は?

近畿地方は「おにぎり」が優勢で、九州・沖縄地方では「おにぎり」や「にぎりめし」が大半。北海道、関東地方、四国では両者が拮抗し、中部地方及び中国地方では「おむすび」が健闘というが…。

[2013年調査では全国で「おにぎり」が89%で、10%の「おむすび」を圧倒した。地域別でも全都道府県で「おにぎり」が「おむすび」を上回る。

形も諸説いろいろ…「おにぎり」は形を問わないが、「おむすび」は三角型(逆の説も)。日本人は山を神格化し、その力を授かるために米を山型=神の形に「握り飯」を三角形に作った。

◆一般社団法人「おにぎり協会」なるものがある(設立2014年)。[定義]もあり、以下抜粋だがなぜか気持ちが温かくなってくる。

・いつでも手軽に持ち歩けて、栄養もぎゅっと。

・どんな具材を入れてもGOOD!カタチも大きさも、にぎる人次第。

・すぐに食べれて消化はゆっくり、だから腹持ちもしっかり。

・おにぎりは日本のいいところが詰まっている。にぎった人の愛情が詰まっている。

・おにぎりを「にぎる」食文化を、次の世代へつないでいこう。

・人がにぎるから、おにぎり。

◆遠足、運動会、弁当…日本人で.おにぎりを一度も食べたことのない人はいまい。それは母の味とも言える。飽食の時代、そんな国民食・ソウルフードがミシュランガイドに取り上げられた…やるじゃないか!

おにぎり 感謝の味!

<2018.12.17    S>

外国人労働力拡大 大丈夫か

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深夜の攻防の末に臨時国会の焦点、改正出入国管理法が成立した(12月8日)。外国人の就労目的の在留資格を新設する案だ。
言うまでもなく、少子高齢化が進む日本。過去15年で、生産年齢人口(15~64歳)は約200万人減少している。改正法案は、日本の国力を支える労働力不足を補うための苦肉の策である。
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◆従来、日本の中で就労できる外国人は、いわゆる医師や法律家、大学教授ら高度技能者だけ。滞在最大5年間の農業、漁業などに従事する技能実習生、週28時間内しか認められない留学生のアルバイト、ともに制限がある。それでも日本国内の外国人労働者数は128万人(2017年)に上る。
新たに創設されるのは一定の技能が必要な「特定技能1号」=最大5年間、熟練の技能を持つ「特定能2号」=延長可能で家族帯同も認め、永住の道も開かれる。ひと言で言えば”単純労働”にも外国人を受け入れるということ。
もはや待ったなしの時期に来ていると、日本政府は捉えている。外国人が、農漁業などすでに確実な若い生産力となっている現場も多い。
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◆少子高齢化は、日本だけではない。中国でさえ2015年をピークに人口減少に。移民政策失敗が欧州・ドイツではメルケル首相の辞任表明の要因の一つにもなった。
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◆「移民政策」と反対した野党(反対だけで対案がないが…)だけでなく与党からも批判があった。政府は今後5年間で14業種、最大34万人を受け入れるという「たたき台」をまとめた。なお受け入れ準備不足、7000人(2017年)を超える失踪者、地域の治安悪化、公的保険の問題…”穴”を埋める課題は多々残った。改正水道法もしかりだが、土壇場に来ての拙速感は否めない。
会期末12月10日、国会閉会。来年4月からの施行を目指す…春の統一選、続く参院選。与党も野党も業界の票目当てなどということは、よもやないと思うが。今後こそが正念場、国の責任ある対応が求められる。
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◆まず国内でやる事がまだあるんでは! 女性の就労拡大、高齢者活用策、あふれるフリーター…自国民あっての外国人労働力だ。国の根本は揺らいではならない。
そして極めて重要な働く現場と外国人労働者を結ぶシステム・管理体制を、厳しくしっかりと確立するべきだ。でなければ、将来に禍根を残すことになる。
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国際日本 欧州の轍踏むな!
<2018.12.10    S>

ゴーン会長逮捕 ルノーvs日産

カリスマ経営者と言われたカルロス・ゴーン日産会長(64)が逮捕された(11月19日)。5年間に役員報酬を約50億円過少に申告したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)の容疑。ゴーン容疑者は否認しているという。

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◆突然に見えた逮捕。実は3つのタイミングが一致した必然の時だった。根底にルノーvs日産。

1.ゴーン下ろし

1999年、ゴーン容疑者は”瀕死”の日産を立て直すために仏ルノーから送り込まれた。日本流経営に超合理的経営を持ち込み、リストラや工場閉鎖を次々断行しV字回復を果たす。日産という企業にとっては恩義ある人物。しかしそれから長すぎる約20年間、ルノー・日産・三菱自すべての会長兼務に…権力が集中し”イエス役員会”になり、ゴーン容疑者だけが決定権を持つに至る。

2.脱ルノー

水面下では、ルノーは日産を経営統合(吸収)しようと動いていた。ルノーは日産株を43.4%持つが、日産はルノー株を15%しか持っていない。一方、世界での販売台数は日産約580万台に対し、ルノー約380万台。日産の収益がルノーに流れ、支えている現実。15%の株を持つ仏政府がゴーン容疑者に「ルノー会長を続けたいなら日産を傘下にせよ」と指示したとか…日産は仏企業にはなりたくない、日本企業として生きていきたい。

3.司法取引

東京地検特捜部と日産専務執行役員ら数人との間で、「司法取引」の合意が成立した。核心に迫る情報を提供する代わりに、起訴の見送りや刑を軽減するということ。

日本国内での企業の司法取引は2例目。「クーデターではない」と西川広人・日産社長は反論したが、裏返せば企業内だけでやる力がなかったと言える。

よくできたシナリオ⁈

◆故郷ブラジルや生活したレバノンなど4カ国にある豪邸、他の役員の報酬付け替え、家族の豪華旅行や食事…次々と疑惑が取り沙汰されている。東京地検特捜部は業務上横領、特別背任、脱税をにらみ捜査を進めている。

しかし、それで終わりなのか?他にも何かある気がしてならない。

◆日仏は経済閣僚が会談し「ルノー・日産連合」維持の支持で一致した。安倍晋三首相とマクロン大統領まで会談し「企業同士で解決するべき問題」。釈然としない。事前に方法がなかったのか、企業争いが国にまで波及?…それだけ重要産業と言えるが、企業の誇りは!と情けなくも見えてくる。

11月29日には事件後初のルノー・ティエリー・ボロレCEO代理、日産・西川社長、三菱自・益子修CEOのトップが、今後の3社連合(アライアンス)運営について協議した。「共同でリードしていく」という合議制が結論となったが、「3社連合のトップにはルノーCEOが就く」という規定はなお残っている。

長くに渡り「ゴーン支配」に黙り、質すことのできなかった無意味な役員会…日産の企業責任も厳しく問われるべきである。

◆この事件は、日本と海外のとらえ方の温度差も露呈した。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で、ゴーン容疑者の勾留中の取り調べには弁護士が同席せず、資金流用疑惑がメディアに次々とリークされる状態は「宗教裁判」のようだと批判。最大20日間の勾留が認められ、再逮捕もできる。暴力団の取り調べならいざ知らず、犯罪歴のない国際企業の幹部には適切ではない。「共産主義の中国の出来事なのか?」と疑問を呈し論評した。

◆リオデジャネイロ生まれのゴーン容疑者。最終的にはブラジル大統領をめざしている、とも言われている。徹底した合理化を進め、「コストカッター」との異名…切られる痛みを知らず、信用までも”切って”しまったことは間違いない。

企業の正義 どこにある⁈

<2018.12.3    S>