大阪万博 発想力こそ!

2025年万博が大阪で開催されることが決まった。高度成長期の1970年「♫こんにちは~こんにちは~」以来、55年ぶり2回目だ。

◆日本時間の23日夜、パリで開かれたBIE=博覧会国際事務局の総会で、156の加盟国代表による投票が行われた。1回目で日本・大阪85票、ロシア・エカテリンブルク48票、アゼルバイジャン・バクー23票。大阪がトップになったが、当選に必要な3分の2に達しなかったため、2位エカテリンブルクとの間で決選投票となり大阪が92票、エカテリンブルクが61票。

実は周到な票読みがあった。支持を取り付けた約80ヵ国のうち「裏切り2割」を前提に、情勢分析をした…1回目投票で過半数を獲得しトップ、決選投票で逃げ切りという”戦略”通りの結果となり、悲願がかなった。

◆最終盤までオールJAPAN、かつ粘りのお願いが奏功。日本は閣僚、大阪府や大阪市、経済界からもBIE加盟国170ヵ国に”しつこく”支持を働きかけてきた。特に加盟国の半分近くをアフリカや中南米の国々が占めているため、途上国の支持獲得もカギとにらみ約100か国に万博参加費用として総額2億1800万ドル(約240億円)の支援を約束。そして投票前夜まで、招致委員会は5つの班に分かれて各国代表を夕食会で”おもてなし”。

見えない点ではあるが、万博に携わる各国担当者は、半年程その地に滞在することになる。周りに歴史的な京都、奈良、神戸などの観光地、さらに食事の環境などが整っていることも評価されたのではないだろうか。

◆人工島・夢洲(ゆめしま)での会場建設費は約1250億円と見込まれ、国と地元自治体、経済界が3分の1ずつ負担。極めて重要な夢洲への鉄道延伸など、インフラ整備にも700億円以上が必要といわれる。大阪府と大阪市は、経済界などと新たな組織を立ち上げ準備を進める。

夢洲には、過去に”悪夢”がある。大阪五輪招致失敗(2001年)から、開発は宙に浮き負の遺産が残った。万博、IR(カジノを含む統合型リゾート)、インバウンドの風…負の払拭、起死回生へ「夢の洲」にしたい思いも強い。

◆莫大な税金を使うより、もっとやる事があるだろうという声もある。大阪府・市の住民グループが20日、万博の大阪誘致はカジノ導入のための違法な先行支出だとして、今後の公費支出を差し止め、既に支出した費用を松井知事に賠償請求するよう求め、府に住民監査請求した。

◆2025年5月3日~11月3日(185日間)で2800万人の来場、1.9兆円の経済効果を見込み、テーマは「いのち輝く未来社会デザイン」。日本の先進技術をとりあげ、世界の課題の解決につなげるとアピールした。人工知能(AI)や再生医療、再生可能エネルギー、健康で豊かな生き方とは何かを探る実験場をめざす。仮想現実(VR)などテクノロジーを駆使し、空間や言語の壁を越えたイベントも検討している。

松井一郎大阪府知事「これまでの常識を打ち破る、世界の課題の解決を実現する万博にしたい。オールジャパン体制ならできる」。吉村洋文大阪市長「夢洲をエンターテインメントの拠点にしたい」。

◆2025年は、1970年の見るもの聞くもの全てが「驚きと新しい時代」ではない。ITやインターネット、SNSで巷に情報があふれ「驚き」「新しさ」のハードルは高い。忘れないでほしい。大阪には誇れる歴史、文化、芸能、食…他にも魅力がいっぱいあることを!

2度目の大阪万博を経験できる人、初めての人、子どもから高齢者のすべての世代が楽しめる万博こそ。大阪府民からの提案も生かし世界へ発信…何より、迎え盛り上げる地元府民が楽しくなることも願って。

「7年後」へ飛ばしすぎず着実に、問われる発想力。

世界の国から いらっしゃい!

<2018.11.26    S>

baseball驚かせた 二刀流

米大リーグ・ロサンゼルスエンゼルスの大谷翔平選手(24)が、アメリカンリーグの新人王に選出された。日本人選手としては、1995年の野茂英雄投手、2000年の佐々木主浩投手、2001年のイチロー選手に次ぎ17年ぶり4人目の偉業だ。

ちなみに近代メジャーリーグとなって第1回の新人王は1947年、”人種差別”も残るニグロリーグから上がったジャッキー・ロビンソン選手。黒人初の大リーガーだ。

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◆ア・リーグの新人王争いは、大谷選手とヤンキースの三塁手・アンドゥハー選手の一騎打ちとみられた。

全米野球記者協会30人の投票で決まる(3選手に1位5点・2位3点・3位1点を投じる)。本場ベースボールのプライド、米球界の一種”偏見”もあり、結局は僅差で破れるのではと思ってしまった。

フタを開ければ30人中25人が大谷選手を1位にし、アンドゥハー選手に大差をつけ新人王に輝いた。圧勝に驚きと、さすが今も新人王の別名「ジャッキー・ロビンソン賞」の国、自分の米への偏見と不明を恥じる。

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◆何と言っても、本場ベースボールを驚愕させた投打の「二刀流」だ。米国で最も愛されるベーブルース以来、約1世紀ぶりの二刀流で「50投球回・15本塁打」を達成。1919年当時、レッドソックスの二刀流ベーブルースは17試合に登板9勝5敗、投げない日は野手として出場し打率.322本塁打29本の成績を残した。現代の科学的分析的野球や進んだ技術と比べられないにしろ、まさに”神様”という驚くべき記録だ。奇しくもこの年、ルースは大谷と同じ24歳だった。

シーズン前には「できるわけがない」。加えて調子が上がらない姿には「高校生レベル」とまで酷評されたが、活躍とともに評価は一変。エンゼルスを19年率いてきたソーシア監督「100㍄(約160㌔)の球を投げ、20本塁打10盗塁ができる選手は非常にまれだ」。また新人王投票資格を持つ記者が「ルース以来、誰もやったことのないことをやっている」。ヤンキース担当記者も「チームを勝たせているか」の点を指摘しつつ、ジャッキー・ロビンソンを引き合いに「最初に選ばれた最大の理由は誰もやってないこと、それも考慮するべきだ」…常識を覆す”パイオニア”、ロマンを大事にする野球王国の純粋さも垣間見た。

◆座ったまま二盗を刺す捕手、驚くべき飛距離、独自の変わった構え…個性的でインパクトある選手は魅力的で見たい!日本球界も見倣ったらどうだろう。

◆数字を見れば、ライバルのアンドゥハー選手の試合149打率.297本塁打27に比べ、大谷選手は打=試合114打率.285本塁打22 投=登板10 4勝2敗 防御率3.31

実はこの数字の点でも突出していた。米で主流となっている打力総合評価OPS(確実性・出塁率+パワー・長打率)は新人として圧倒的1位。投手としての数字を加えれば、他を寄せ付けない数字になる。

◆193cmのしなやかな肉体、スピード、そして惹きつけられる笑顔。大谷選手は今季を振り返って「(右肘手術などで)ピッチャーを離脱したのだけが心残り」。術後ゆえに来季は打者に専念、「良くなっている。このまま練習すれば、もっといい成績が残せる」と言い切った。

進化した二刀流 2020年再び!

<2018.11.19    S>

アメリカよ どこへ行く

「アメリカファースト」のトランプ政権への審判、米中間選挙が終わった。上院で与党・共和党、下院では野党・民主党が多数(過半数)を占めた。結果判明後、共和党・トランプ大統領は「とてつもない成功だ」、民主党・ペロシ下院院内総務「われわれの国のための勝利だ」と、どちらも勝利宣言を行った。さらにともに「連携」「協力」という言葉も使った。

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◆現実には下院での共和党敗北は、トランプ氏にとっては政権運営が難しくなった。民主主義の原則、数の不利で予算案、法案が否決され成立しにくい。さらにはロシア疑惑、口止め料疑惑、脱税疑惑…疑惑と名のつく数々の追及を受ける。上院で多数を維持したため、弾劾有罪の道は阻止したが、トランプ氏は時間をとられ精神ダメージも被ることになる。

しかしトランプ氏は法案が成立しないのは民主党のせい、と一層過激に批判し「アメリカの前進を阻んでいる」と反撃をかけるだろう。結局、トランプ氏の政治基本「アメリカ第一」は変わらない。敵をつくり力を結集する手法だ。内政では今までのように行かず、その分対中・露外交や経済で外に”攻める”姿勢に拍車がかかる。

方や躍進といえる民主党。気になるのは、中間選挙で依然オバマ前大統領が全面に出ていたこと…トランプ氏対立軸となる”新ヒーロー”がいない。

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◆今回の中間選挙は投票者が初めて1億人を超え、投票率は過去50年間で最も高い47.3%に達した。

下院の民主党勝利を大きく左右したのは若者、女性の投票だ。CNNテレビの出口調査によると、18~29歳は民主党67%共和党32%、女性も民主党59%共和党40%と圧倒的な差が出た。

トランプ氏の女性蔑視発言は、常に投票率が低い中間選挙に風を起こした。女子高生まで巻き込んだ「ピンクウェーブ」や「Me Too 」運動は女性たちの危機感、怒りを呼び”反トランプの渦”となったと言える。

若者たちも投票に足を運んだ。奇しくも中間選挙の翌日、ロサンゼルス郊外サウザンドオークスのバーで銃乱射事件が起き12人が死亡。容疑者とみられる元海兵隊員の男(28)も自殺したと報じられた。米で後を絶たず、学校でも起きた銃乱射事件に若者の間では銃規制の声が大きい。銃規制に消極的なトランプ共和党への反対も票につながった。人気アーティストのテイラー・スウィフトさんの呼びかけなども後押しした。

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◆日本への市場開放、貿易圧力は増すだろう。不公正な要求には、毅然とモノを言わなければならない。しかし同盟国の根本的協力は変わらない。日本にとっても北朝鮮の拉致・核問題、対中韓でも課題山積である。アメリカとの友好を軸に対処して行かざるを得ない。

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2020年大統領選 始まった!

<2018.11.12    S>

ハロウィーン 狂騒曲

◆10月31日ハロウィーン、予想通り狂騒が繰り広げられた。東京・渋谷で翌朝にかけ13人が逮捕され、前週末から小型トラックを横転させたりで逮捕者が出る”無法地帯”となった。愉快なパーティ―でなく蛮行だ。

「西の聖地」とも呼ばれる大阪・ミナミでも、仮装した多くの若者らが集まり大混雑。トラブルを恐れ飲食店などが営業を早めに切り上げる中、アメリカ村周辺では車両規制も実施し、大阪府警が300人態勢で終日警戒にあたった。今年も酒瓶を片手に騒いだり橋の上で飛び跳ねたり、道頓堀川などにダイブする100人以上(延べ)の若者の姿も見られた。

海外の仏ではパリの店で略奪、リヨンで放火、SNSで警察襲撃を呼びかけるなど各地で拘束された若者らは100人以上となった。内相が「ジョークでなく、脅威だ」とクギを刺したほどだ。

若者たちに、楽しむなと言う気は毛頭ない(自らの若き時代も振り返り⁉)。一種のストレス発散も必要だろう、大いに楽しんでほしい。ただし大人の言動…他人に迷惑かけるな!暴力NO!後始末をしろ!

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◆ハロウィーンは古代ケルト人が起源と考えられている祭。秋の収穫を祝い10月31日に行われた、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事だった。現代では特に米国で一大民間行事となり、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習。日本でもイベントとして定着しているが、元は農産物の収穫を祝い、そして魔除けの「歓びと祈り」の厳粛な祭である。

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◆趣向を凝らし家族連れで行進し楽しむ、地域のハロウィーンも多い。

川崎ではJR駅前の大通りを全面規制して、全国から集まった約2500人の仮装者たちが、大音響のクラブサウンドに合わせて踊り歩くパレードが整然と行われた。参加者全員が対象の史上最大規模の仮装コンテスト「ハロウィーン・アワード」…主催団体があると、それだけでルール、マナーも自然と出来上がるから不思議だ。

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◆経済効果は大きい。

今や日本においてハロウィーン→クリスマス→バレンタインと秋から冬への大イベント。ハロウィーンは2016年にバレンタインの経済効果を抜いた。年々規模が拡大し、仮装パーティーやイベント・パレードなど参加者も増大をたどっているが、一般社団法人・日本記念日協会によると、今年のハロウィーン経済効果は、前年と比べて約5%減少の1240億円という。現在の形では今が”ピーク”と言え、商業イベントとしての曲がり角に来ているのかもしれない。

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◆さすが日本と思え、ホッとすることもあった。

祭の後の渋谷やミナミでは、ゴミ拾いをする若者たち、ボランティア、通りがかった会社員らが協力する姿まであった。年々その数は増えているという。本当は、楽しんだ若者たちが行うべき姿だが。

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大いに楽しんで 責任!

<2018.11.5    S>