安田純平さん 解放

内戦下のシリアに2015年6月、トルコ南部から密入国し、武装勢力に拘束されていたフリージャーナリスト安田純平さん(44)が23日解放された。

今のタイミングで解放につながったのは、シリア内戦が最終局面に至っているという現地情勢と、水面下で続けられてきた解放への外交努力の存在だといえる。

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◆安田さんは帰国の機内で「殺されるかもしれない」と感じた独房の日々を振り返り「今日も帰されないと考えるだけで日々、だんだんと自分をコントロールできなくなってくる」と語った。あごひげを長く伸ばし、黒いTシャツ姿で「監禁されているという状況が当たり前の生活のように感じ始め、非常につらかった」と言葉を選びながら話した。拘束中は「足を伸ばして寝てはいけない。寝る範囲が1.5メートル、それが24時間」という状態が8カ月ほど続いたこともあったとも。

/◆2014年にイスラム過激派組織のIS(イスラム国)に拘束され、2015年に殺害されたと見られている後藤 健二さん(47歳、ジャーナリスト・インデペンデント・プレス代表)とも交流があった。

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◆安倍晋三首相は解放を確認した後「トルコとカタールに感謝する」と述べた。

シリア内戦を調査している民間団体「シリア人権監視団」代表は「カタールが身代金300万ドルを支払った」と主張した。「カタールは、日本人の人命救助への貢献を国際社会にアピールするためだった」と話し、「日本政府はテロ組織への身代金支払いは拒否した」とも指摘した。

カタールが世界に中東での過激派組織への力アピールと、日本への”恩”を売ったとの見方もある。

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◆安田さんの行動に賛否。

フリージャーナリストしか危険地帯に行けない、そこからの情報こそ事実報道との声。自ら覚悟のうえに行き莫大な金、各方面に迷惑をかけたことの自己責任を問う声。

少なくとも自らの声で説明責任を果たし、情報発信はしなければならない。

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◆帰国後の再会を果たした妻・深結さんは、「先ほど無事に安田と対面できました。本当にここに来るまで、いろいろなご協力いただきまして、お礼申し上げます」と話した。

父親は「自分で行ったのだから…よく無事で帰ってくれた」。父としての責任と想いは伝わってきた。

生きて 命の重み

<2018.10.29    S>