異常気象 地球が泣いている

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豪雨の後の猛暑続きにひと雨ほしいなぁと思っていたら、先週末に台風12号が発生。北上し関東から西へ急カーブ、伊勢市付近上陸後に西日本を横断した。さらに九州南海上へ抜けたと思ったら、同じ場所をゆっくりと”旋回”するように一時居座った…異常なコースで、日本上陸の台風197個目にして初めてだという。東海地方を中心に被害をもたらし、西日本豪雨の被災地にも無情の追い打ちとなった。
日本列島、いや地球が危ない。

◆埼玉県熊谷市では国内の観測史上最高を5年ぶりに更新する41.1度を記録した(23日)。全国4地点で最高気温が40度を超え、21地点で史上最高気温を更新。気象庁は「命に危険を及ぼす暑さレベル。一つの災害と認識している」と異例の緊急記者会見を開いた。この日は東京都青梅市でも40.8度、観測史上初めての都内40度以上を記録した。
気象庁によると、日本の東海上から張り出す太平洋高気圧の勢力が今月上旬からずっと衰えず、さらにその上空をチベット高気圧が覆う「高気圧の2層構造」。関東内陸部での「フェーン現象」も拍車をかけている。

◆日本だけではない、世界も変だ。
6〜7月は北極圏を含め世界的に気温が上昇し、異常な猛暑に見舞われた。カナダで熱波のため多数の死者が出たり、ノルウェーとフィンランドで北極圏なのに気温33度に達しスウェーデンで数十件の森林火災が発生した。
1913年7月に56.7度の世界最高気温を記録した米カリフォルニア州で52.0度を観測、ロサンゼルス近郊チノで は48.9度、サハラ砂漠で51.3度と異常高気温となった。中国、韓国でも猛暑で40度を超すなど最高気温を更新、インドネシアはモンスーンを伴う豪雨による洪水。5月、6月と米ハワイ島でキラウエア火山、中米グアテマラのフエゴ火山まで噴火した。
その一方でカナダ東部のニューファンドランド島では6月下旬に雪が降り、約2㌢の積雪とは…世界各地で”異変”のため被害が相次ぎ、都市機能、生活経済にまで影響を及ぼした。

気象注意情報で、最近よく耳にする「今まで経験したことのないような…」。いわば人類が今まで経験したことのない気象が”普通”になり、地球が新たな段階に入ったといえるだろう。

◆国連の世界気象機関(WMO)は「温室効果ガスの増加による長期的な地球温暖化の傾向と関係がある」と分析している。
温室効果ガスに関する最新のIPCC(政府間パネル)報告書よると「人為的に排出されている温室効果ガスの中では、二酸化炭素の影響が最も大きい。二酸化炭素は石炭や石油などの消費に伴い大量に大気中に放出され、温暖化の主要因」として相関性の高さを指摘している。
地球温暖化が今のペースで進めば、2040年代に世界の平均気温が抑制目安とされる「1.5度」の上昇に達し、自然災害や生態系破壊などのリスクが確実に深刻になると再三警告もしている。
◆人類の進化に伴った様々な科学技術の進歩、取捨選択を見極める時かもしれない。政治・経済的駆け引きはもういい…個々が”痛み”を共有し、すぐに世界全体で対応しなければ手遅れになるのは明らかだ。
次の世代のために。

待ったなし!健康な地球。
<2018.7.30>

100回目の夏 頑張ろう!日本

「夏の甲子園」100回記念大会(8月5日開幕)、過去最多の56校が出場する。全国地方では3789高校の熱戦が繰り広げられ、すでに北北海道・旭川大高が甲子園一番乗り。栃木・作新学院や香川・丸亀城西、熊本・東海大星翔、沖縄・興南など続々と出場を決めている。

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◆選抜高校野球と違い、負ければ終わりの一発勝負。地方大会を勝ち抜かなければ、甲子園の土を踏めない。

甲子園入り口には歴代優勝校旗が飾られる。これも夏だけの風物詩だ…はるか半世紀以上前の”奇跡”、母校の校旗も浜風に揺れる。

そして記念大会のため松井秀喜(星稜)、桑田真澄(PL学園)ら甲子園のレジェンドたちの始球式や、NPB屈指のスラッガー中田翔(大阪桐蔭)、T―岡田(履正社)らが母校のユニホーム姿で球児たちにメッセージを送る。懐かしく楽しみの一つだ。

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◆2011年の夏の甲子園。当時東京単身赴任時代に法事で帰省し、炎天下の外野席で観戦した。近畿勢の対戦カードでもないのに超満員だった。

この年3月11日に未曾有の自然災害、東日本大震災が起きていた。自粛の声もあったが、白球ドラマは行われ、球児たちの全力プレーや聞こえてくるお国訛り、例年通り変わりない応援と歓声。したたり落ちる汗を忘れて観戦した。

だがこの年は、やはりちょっと違った。球場入り口にさり気なく置かれた募金箱、銀傘の下のスコアボードの上に「頑張ろう!日本」の横断幕。力づけられたことを思い出す。

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◆今年も大阪北部地震、西日本記録的豪雨と続いた。

広島大会は甚大被害で、予定より10日遅れの全国で最も遅い開幕となった。入場行進もなかったが、安芸南の田代キャプテンが思いを込めて宣誓した。

「野球ができることに感謝します。どんな状況も克服し、それを乗り越えて挑戦します。被災された方々に勇気と力を与えられるよう、支えてくれたすべての人々への感謝を胸に、がむしゃらにプレーすることを誓います」(抜粋)…

なお被災地では普通の生活は遠い。いぜん行方不明の方さえいる。

もう一度「頑張ろう!日本」。

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◆酷暑の中、熱戦真っただ中の地方大会。一度も敗れなかった1校だけが、”100回目”の深紅の優勝旗を手にすることができる。しかし残る3788校も一度しか敗れていない。

いまの一生懸命、胸を張れ!

試合には敗れても”負けなかった夏”だから。

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若人よいざ! 栄冠は君に。

<2018.7.23>

つないだ夢!サムライブルー

波乱のロシア大会と言われた2018年W杯サッカーが終わった。

◆フランス(世界ランキング7位)がクロアチア(同20位)を4-2で下し、1998年大会以来20年ぶり2度目の優勝を果たした。

準決勝では、ベルギー(同3位)との死闘を制し1-0、薄氷の決勝進出だった。ベルギーは結局、3位決定戦でイングランド(同12位)に2-0で快勝。世界一流の超速カウンターは、他国を震え上がらせた。

◆そのベルギー相手に3度目の決勝トーナメントに進出した日本(同61位)は1回戦、2-3で逆転負けを喫し、過去2度(2002年・0-1トルコ、2010年・0-0PK3-5パラグアイ)と同じように8強入りの悲願は砕かれた。アディショナルタイムに3点目を奪いにいった西野J、10秒足らずの圧巻カウンター攻撃に「最後の30分、何もできなかった」。今大会戦績としては1勝2敗1分け、素晴らしい結果とは言い難い。

しかしサムライブルーは”世界の扉”をようやく開けた。一歩踏み出したにすぎないが、確実に踏み出したと言える。フィジカルな個人力アップだけでなく、揺るぎない戦略的サッカーができたからだ。

黄金世代ともいわれる”赤い悪魔”に真っ向挑み、本気にさせた。決勝トーナメント以降、ベルギーから2点以上取ったのは日本だけ。原口、乾のゴールは日本にとって決勝トーナメント史上初の得点だ。

敗戦後「他に戦い方があったはずだ」と、厳しい指摘もあったが…過去出場5回のような”弱者のサッカー”から抜け出し、地に足をつけた試合運びができるようになった。何より、世界の舞台で戦える「自信」を得たことが大きい。

次の世代に繋いでほしい。

◆「自信の舞台」が終わると同時に、サムライブルーを牽引してきた3人が日本代表から去った。

西野朗監督63歳。

「この任を受けた瞬間から、W杯終了までという気持ちだけでここまできた。今は任期を全うした気持ちでいる」。

「戦い終わった後の背中に感じた芝生、見上げた空の色は忘れるな。ベンチにいた選手の居心地の悪いおしりの感触をわすれるな。それに対抗していくのが、これからだ」。

本田圭祐32歳。

「この意思を次に引き継いでもらいたい。まだ優勝ということを口にする選手はいないので…なんと言われようと『優勝』と言い続ける奴が、次を引っ張っていく」。

長谷部誠34歳。

「僕にとって日の丸を胸に戦った時間は、背中に荷物を背負っていった感覚、それよりも誇りの方が大きかった」「同じ時代に戦えた事は幸せでした」。

いろいろと物議をかもしたこともあったが、功績は現としてある。将来を望む!いや報われなければならない。新たな更なる「日本サッカー」のために。

◆そしてアディショナルタイム4分、ベルギーに決勝点を許すまじとシャドリを最後まで追い、走り続けたJリーガー昌子源(25)。敗戦のホイッスルに、突っ伏して何度もピッチを激しく叩いた姿。

そこに4年後の光を見た。

サムライブルー  いざ!カタール

<2018.7.16>

容赦ない 自然猛威

記録的豪雨で甚大被害を出した近畿・九州北部・中国・東海で9日、一転梅雨が明けた。猛暑の追い打ち…被災地が案じられる。

◆前日まで、西日本を中心に歴史的大雨が襲った。数日間大雨が続いた地域もあり、九州から東海地方まで家屋水没、土砂崩れ、交通網、ライフラインの寸断など甚大な被害をもたらし、死者は120人を超え、安否不明80人以上(7月9日現在)、なお全容は見えない。平成最悪の豪雨災害となってしまった。

福岡、佐賀、長崎から広島、岡山、鳥取、愛媛、高知、京都、兵庫、岐阜まで広範囲に大雨「特別警報」が発令され、各自治体は避難指示を出した。

この「特別警報」は、気象庁の「警報」基準をはるかに超える数十年に一度の規模で起きる様な甚大な災害の恐れ、最大級の警戒が必要な場合に適用される。すぐにでも命の危険が迫ることを知らせるものだ。

「これまでに経験したことのないような大雨となっています。直ちに命を守る行動をとってください」。繰り返し放送された。

しかし、被害が出た後での「特別警報」だった地区もあったのでは…さらに早く発令する方法はなかったものか。

◆1959年9月26日の伊勢湾台風(死者4,697人=犠牲者数は1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生するまで、第二次世界大戦後の自然災害で最多)。

約60年前の私事だが、この時三重県に居住していたため流されかけた経験がある。と言っても記憶はなく、周りからの伝え聞きを覚えているだけだが…。

私と祖父が畳ごと流されそうになるのを、母は畳の縁をつかみ、爪が剥がれても放さなかったと聞いた。「少し離れた場所で、親の手から子どもの手が放れ流されていった光景が忘れられない」とも。

自然の猛威に、情けはない。犠牲になった方々・被災した方々には家族があり人生がある、それさえも一瞬に奪う。

◆法とは、そこに生きる人のためにある。支援のため国・自治体は、時に法の壁を超えてでも、臨機応変にかつ公明に税金を投入してほしい。しっかりとした説明責任の上なら、誰も異論はとなえないだろう。

人・物・心、継続した被災地支援が急務だ。

◆自然科学の進歩で予知や警報、SNSなどで被害は抑えられる。しかし容赦なく人知を超えてくる自然災害。

進歩し続けてきた現代社会。改めて立ち止まれ!間違えた部分はないのか、と突きつけられているようにも思える。

それでも備えるしかない、個々が家族が地域が国が。そして久しく聞かなくなった減災へ、もう一度具体的に考え迅速に動かなければ…言うは易しだが。

島国日本 乗り越える。

<2018.7.9>

これが世界か! サムライブルー

スマホの目覚まし音が鳴る。寝不足は分かっているがテレビの電源ボタンを押す。何年ぶりかの未明のスポーツ観戦になった。
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◆「サッカーどうする?」「3時かぁ。前もって寝る手もあるか」。前日、若者たちの話ではない。いい歳をした大人たちの会話だ。注目のW杯サッカーロシア大会・16強による決勝トーナメント日本(世界ランク61位)-ベルギー(同3位)の一戦。
前半0-0で折り返す…波乱続きの今大会、もしかしたらイケるかも⁈ そして後半タテ続けに、3分に原口、7分に乾がゴールを決めた。イケる!
その後ベルギーに24分、29分と同点にされ、アディショナルタイム(追加時間)4分に決勝点を挙げられ3-2で試合終了…つかみかけた史上初の8強を逃した。これが世界の壁なのか。
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◆前戦の決勝トーナメント進出をかけたポーランド戦。ラスト10分、1-0で負けているのにパス回しだけの”時間稼ぎ”に海外でブーイング、国内からも批判を浴びた。決勝トーナメントへ進むためドイツ(世界ランク1位・前回覇者)が、なりふり構わず自陣ゴールを空にして全員で攻め失点。まさかの1次リーグ敗退となった…それと何ら変わりない戦いだった。スポーツとしてか勝負としてか、決勝トーナメントに進出するための”賭け”。W杯の舞台で揺るぎない「美学」より「使命」を実践した姿、サムライブルーの成長が確信に変わった。
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◆勝利と敗北しかない。天を仰ぐ香川、涙の乾、川島…倒れ込み寝転ぶ日本選手を、ベルギー選手が颯爽と横切っていく。それでも国を背負った一生懸命、選手たちはいい顔をしていた。
未明(日本時間)の試合にもかかわらず関西地区の平均視聴率は28.3%、瞬間最高視聴率37.5%にも上った。
英BBCは(ハリルホジッチ監督解任劇・ポーランド戦の時間稼ぎがありながら)「日本の大きな賭けは報われたようだ」。ブラジル紙のスポーツサイト「黄金のベルギーを仰天させた」。中国メディアさえ「これこそがアジア最強のプレーだ」。
◆試合後のインタビューで西野監督は、しばらく言葉が出ず「W杯の怖いとこ。追い詰めたが、何が足らなかったのか」。世界との差を聞かれ「すべて。でもわずかだ」。
あのコロンビア戦から2週間、すばらしい時をもらった。
終わった。悔しい…。
ここからだ!サムライブルー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<2018.7.3>

あぁ 面白き日本映画よ

◆久しぶりに2週続けて日本映画を観た。シニア割で観られること、休みの日にこれといった重要事も少なくなってきたからだ。

2018年の映画興行収入ランキング(6月26日現在)によると、ベスト10に日本映画は「万引き家族」だけ。上位に名探偵コナン、ドラえもんなどアニメ映画、他は洋画が占める。2017年にいたっては、ベスト10に日本映画0。日本映画が盛り返してきた、と言われたが実体はアニメが押し上げただけということ⁈…興行収入面からとはいえ淋しい。
映画は、各々の観る側の気分でも、受けとり方感じ方は少なからず違ってくる。あらゆる観点から冷静に分析する映画評論家には敬服する。しかし「映画好き」の楽しみは、脚本、役者、映像…それでいい、というかその域を出ない。賛否両論、一ファンの視点で書くことをご容赦いただいて。
◆「蚤とり侍」鶴橋康夫監督(78)=興行収入34位。
鶴橋組の魅力が満載だった。「蚤取り」の史実は猫の蚤を取る商売、なぞらえて女性をよろこばせる裏稼業。真面目すぎるエリート侍が、主君の逆鱗にふれ”落ちぶれて”のみ取り侍に。時代を超えて、のみ取り侍・寛之進(阿部寛)を取りまく人間模様、喜怒哀楽が詰め込まれていた。
着物姿だけの登場人物、映像ともにひと味違う艶やかさで何ともカッコいい。にじみ出る、初ののみ取り客となるおみね(寺島しのぶ、寛之進の亡き妻千鶴の二役)は言うに及ばす、のみ取り指南をする江戸No.1プレイボーイ・清兵衛(豊川悦司)には男の色気を初めて感じ、驚いた。
のみ取り侍に、客おみねが一喝「下手くそ!」のシーンもしかりだか、久しい大笑いが何度もできた。
浮気封じに燃える清兵衛の恐妻おちえ(前田敦子)に「君はこういう顔を持っているはずだ。はじけてくれ」と”口説いた”というが、鶴橋監督の人間を見る眼力にも恐れいった。そしていつもこう語っている「日常生活の中の怖さや面白さを、何とか映像で表現したい」。
大半を笑いが占めた。しかし知らぬ間に、何か諦めず頑張れと言われているように感じた。
◆「万引き家族」是枝裕和監督(56)=興行収入7位。
仏カンヌ国際映画祭・最高賞パルムドールを受賞。
役者の妙は言うまでもなく、生活空間などにおいて細部までのこだわり。至るところに日常の淡々とした時間が流れていた。観ていくうちに映像でなく現実と錯覚してしまう…その実は現代の”日本の縮図”をえぐり、深く描いている。

わずかの年金を受ける祖母(樹木希林)、日雇い仕事で働く父(リリー・フランキー)、クリーニング店パートの母(安藤サクラ)、「JK店」でアルバイトする母の妹(松岡茉優)、そして、時に大人たちより冷め万引きをする少年(城桧吏)と実の両親からネグレクトされた女児(佐々木みゆ)―経済大国の首都・東京の片隅で暮らす家族の生活。淡々と客観的”実情”ゆえに、より観る側は考えさせられる。
国際的に高評価されてきた日本映画は多々あるが、「東京物語」(1953年・小津安二郎監督)や「楢山節考」(1983年・今村昌平監督)「HANA-BI」(1998年・北野武監督)、「おくりびと」(2008年・滝田洋二郎監督)…いずれも日本独特の死生観が秘められていた。「万引き家族」ももちろん、生きることへの模索が描き出されているが、それはかつての“日本らしさ”から脱皮した形といえるのかもしれない。
家族のつながりを問い”見て見ぬふり”をもうやめろ、と迫っているかのようだ…日本映画、今後こそが真価を問われる。
わずか2時間の世界。笑って泣いて、人っていい。
<2018.7.2>