令和の内閣 結果を示せ!

令和元年9月11日、第4次安倍再改造内閣が発足した。
麻生太郎副総理・財務・金融相(78)、菅義偉官房長官・拉致問題相(70)は早々と留任決定。安倍首相(64)にとって”同士兼閣僚お目付役”。最多13人の初入閣で刷新をアピールした。
「安定と挑戦」を掲げた19閣僚と4自民党執行部。憲法、社会保障、外交…日本が問われる令和の船出。

◆「挑戦」の目玉として、男性戦後最年少38歳で初入閣した小泉進次郎環境相。原発エネルギー、地球温暖化など世界の重要課題や官僚をどう相手にするか力量が問われる。来年の育児休暇を取り、新時代アピールだけでは…閣僚の失敗は、政治生命だけでなく国民生活をも左右する。就任囲みの”完璧な”会見。今後は言葉、清新、若さで許されることではないと覚悟をもって当たってもらいたい。
“堅物”に見られがち?河野太郎防衛相(56)は、外務相から同じ重要ポストへ横滑り。最悪と言われる日韓問題に、ブレずに筋を通し対処した手腕が評価された。
茂木敏充外務相(63)。日米貿易交渉を牽引し道筋をつけた。対韓国で見えない”交渉シグナル”になるやも⁈
女性活躍社会を謳いつつ片山さつき地方創生担当相(60)1人だった女性閣僚は、前内閣から1人増えた。高市早苗総務相(58)と橋本聖子五輪・女性活躍相(54)、まずは及第点か。

◆自民党執行部人事では二階俊博幹事長(80)、岸田文雄政調会長(62)が留任。良いか悪いかは歴史が決めるが、麻生副総理と菅官房長官とともに「安定」=反主流派の押さえ役も担うということだろう。
根底には「ポスト安倍」を競わせつつ、悲願の「憲法改正」への道が見える。

◆約2年後に安倍首相は自民党総裁任期を迎える。「ポスト安倍」は見えないが、かと言って4選も民主国家としていかがなものか。安倍政権の集大成、日本の政治のターニングポイント、新しい時代になるのか。
これが最後の安倍内閣とは思えないが…常に10年50年100年先の国づくり、誤らない舵取りを望む。

安定と挑戦 命がけで!
<2019.9.16 S>

桜のジャージ 咲け!31戦士

 W杯ラグビー日本大会が9月20日に開幕する(11月2日決勝)。ラグビーW杯は1987年から始まり、今大会が第9回でアジア初の開催だ。
 世界ランキング10位・日本のW杯全戦績は4勝22敗2分。世界最高峰ニュージーランド(NZ)、ウェールズ、豪州…20チームの中、悲願のベスト8をめざす。

◆桜のジャージを着る代表メンバーは31人。うち15人が外国出身選手、史上最多となった。
 日本代表資格の条件は、まず前提として他国での代表歴がないこと。そして
 1.出生地が日本
 2.両親または祖父母のうち1人が日本出身
 3.日本に3年以上の継続居住(2020年末から5年以上に変更)
 の1つでも当てはまれば資格が得られる。
 ”緩い条件”なのは、ラグビー発祥の地・イギリスが世界中に進出した歴史に由縁。現実になお力を持つイギリスからはウェールズ、アイルランド、イングランド、スコットランドの4チームが参加(参加資格はラグビー協会単位)。
 紳士の英国スポーツゆえ「ノーサイド」(厳しい肉弾戦が終われば敵も味方もない)の心も魅力の一つだ。

◆ラグビーは最も番狂わせが少ない球技と言われる。
 2015年W杯で「世紀の番狂わせ」と世界を驚かせ、勝利した南アフリカとテストマッチが6日行われた。日本は7-41で完敗。しかし1995年、NZに17-145で敗れた屈辱からすれば格段の前進だ。南アの重圧に後手後手に回ったが、確実に力をつけた走れるラグビー…7点に進歩の跡が見えた。

 南アとのテストマッチは埼玉・熊谷ラグビー場で行われたが、W杯は札幌から熊本まで12競技場にわたる。「ラグビー場」と名がつく競技場は、この熊谷と大阪「花園ラグビー場」の2つだけ。観客席数は3万人程度だが、グラウンドとの距離は近い…スクラムの音や選手の息遣いも聞こえ、世界の迫力を味わえるのが楽しみだ。

◆7日に記者会見した日本代表「チェリーブロッサム」のリーチ・マイケル主将(30)は「ベスト8に向けていい準備できている」とキッパリ。ジョセフヘッドコーチ(HC、49)も「トップ8の目標を掲げている。150%の力で邁進したい」と抱負を述べている。
 そして、最年長のトンプソン・ルーク選手(38)は言う。「この国に生まれたわけじゃないけどこの国は素晴らしい国、代表は誇り。特別なことはできないが、努力のプレーをする。チームのため国のため家族のため、めちゃ頑張ります」

One for All, All for One (1人は皆のために、皆は1人のために)
<2019.9.9 S>

韓国愚挙 揺らぐ文政権

 韓国大統領府が、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA=General Security of Military Information Agreement)の破棄を決め通告(8月23日)。日本政府は予定通り、韓国の「ホワイト国(戦略物資輸出を簡略化できる優遇対象国)」除外を施行した(8月28日)。
 GSOMIAは経済問題ではなく人命の問題。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、安保上の日米韓協力体制を瓦解させかねない重大な一線を越えた。韓国側の”感情的喧嘩”が続いている。

◆国家は国益の基に動く。しかし忘れてならないのは、国際社会のルールの中の国家でもあることだ。
 元徴用工問題。根本は1965年の「日韓請求権協定」=大戦における日韓間のすべての請求権はこれを以って、不可逆的最終解決とする=を”失きもの”とする、国際条約・約束を無視した韓国の姿勢だ。これでは国際社会は成り立たない。
 日本はこの国際協定に基づき、当時韓国の国家予算の約2倍に相当する”賠償金”を払い、韓国は近代化を成し遂げた。この事実を民主国家・韓国国民がどれほどが知っているのだろうか失礼ながら疑問だ。もし知っていてこの対応なら、極論だが通常国家なら”断交”もの⁈
 国際条約上言うなれば、元徴用工・慰安婦問題が今も残るなら、賠償は韓国政府がするべき義務といえる。

◆アジアの安定、対中北露抑止としての象徴ともいえる日韓軍事協定の破棄。エスパー新国防長官も訪韓し自制を求め続けできた米国は怒り、「失望」「懸念」を表明した。
 アジア地域にとっても何らメリットはなく、北朝鮮、中国、ロシアを利するだけ。文政権はもはや、中国・北朝鮮と”中朝統一”へ歩もうとしているのだろうか⁈ 政治・経済とも”自滅”の道に思えてならない。現実に目を覚まし韓国世論が変化すれば文政権も変わる…そう望む。

◆韓国のGSOMIA破棄通告の翌24日、北朝鮮がまた示威行動の「飛翔体」を発射(1カ月で7回)。
 防衛省は、韓国軍よりも早く弾道ミサイルが発射されたと発表した。岩屋毅防衛相は「早期に弾道ミサイルと判断した」と述べ、情報収集能力に支障はないことをアピールした。菅義偉官房長官も「防衛や緊急事態の対処に直接必要となる情報は、我が国による情報収集に加え、米国との情報協力で万全の態勢を取っている」と述べた。
 情報補完も含め、実は日本も独自の偵察衛星を飛ばしている。しかし、韓国の持つミサイル発射兆候・レーダー情報と日本の持つミサイル距離・着弾地情報などは噛み合っていた点もある。今後影響が全くないとは言えない。

◆翌25日には韓国が竹島で上陸軍事訓練。日本政府は「竹島は日本固有の領土だ」と強く抗議したが無視の上、31日には国会議員団が上陸。何らかのリアクションに移すべき時期に来ているのではないか。
 一方で韓国国内では、文大統領の側近で次期法相指名・曺国(チョグク)氏の娘の不正入学・息子の兵役逃れ疑惑で揺れている。「GSOMIA破棄・反日」はこの疑惑隠しの声までも…大規模な文政権批判デモ、支持率も低下している。

◆日本は日米同盟を強固に保ち、韓国へは対話の窓口を開いたまま、粛々と毅然と対処すべきだ。「ホワイト国」除外は韓国経済に徐々に確実に”効いて”くる。そして元徴用工・慰安婦の賠償問題は、国際協定ですでに決着済と主張し続け譲るべきではない。
なし崩しむし返しの歴史に未来志向はない…韓国の”自立”のためにも。

筋通す 世界の日本
<2019.9.2  S>

あおり運転 法整備を急げ!

 茨城県の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件。傷害容疑で指名手配されていた宮崎文夫容疑者(43)が大阪で逮捕された。
大阪市東住吉区のマンション付近で身柄を確保されたが、捜査員に囲まれた宮崎容疑者は「出頭させてくれ」と勝手なことを叫び抵抗を続けた。この模様は、テレビでも放映された。
 また一緒にいた交際相手の喜本奈津子容疑者(51)も、犯人隠避容疑で逮捕された。

◆8月10日、茨城県守谷市の常磐自動車道で男性(24)が運転する車を、「あおり運転」をし停車させた上、「殺すぞ」などと怒鳴りながら男性の顔を数回殴ってけがをさせた疑い。宮崎容疑者が車から降りて歩いてくる姿や暴力を振るう凶暴さ、喜本容疑者が携帯電話で写真撮影する姿がドライブレコーダーに記録されていた。テレビでも報道された。ドライブレコーダーの映像が早期逮捕の一役とともに、許せない非道な行為を明らかにし威力を発揮した。

 また宮崎容疑者の車には複数の傷があった。静岡と愛知でもあおり運転を繰り返していたとみられ、警察は裏付け捜査を急ぐ。

◆あおり運転を社会問題にしたのは、2017年の東名高速道。家族4人が乗った車が、あおり運転の末停車させられ、そこにトラックが追突し夫婦が死亡した。同乗の娘2人は奇跡的に助かった。石橋和歩被告に危険運転致死傷罪などを適用し、懲役18年判決。
 2018年には大阪・堺で、バイクの大学生があおり運転の末死亡した。検察は異例の殺人罪で起訴、中村精寛被告に懲役16年判決が出た。

 あおり運転の重大さが社会に浸透し、行政も対策にやっと動き出した。各都道府県公安委員会が昨年あおり運転で免許停止の行政処分としたのは42件で過去最多。道交法の車間距離保持義務違反(車間を詰め過ぎる)の摘発は、前年から倍増の約1万3千件に上った。

◆宮崎容疑者は大阪の名門校・天王寺高校を卒業、関西学院大学にすすんだ。2003年に親から土地建物を相続し不動産業を起業したという。
なぜ凶暴な態度に豹変したのか!?取り調べを待たなければならない。

 重い刑が確定し、免許取り消しとなっても現行法では約10年で再び免許を取得できる可能性がある。
こういう”走る凶器”による狂気的行為のドライバーは、二度と運転できないような法をつくるべきだ。

◆ドイツの繁華街で、2台が猛スピードの危険なカーレース。衝突しコントロールを失った1台が、交差点のジープに激突、運転の69歳男性が死亡した。裁判で、カーレースの運転手2人に終身刑と「一生涯の運転免許剥奪」が言い渡された。
 ドイツでは、裁判所が「運転に向いていない性格」だと認定すれば、事故の大小や刑罰の軽重にかかわらず「生涯運転禁止」にできる。社会の安全・命を守るためという理由だ。日本も参考にしたらどうだろう。
事象に追いつけぬ法、何とかならないか!?

法は弱者のため! 厳罰を
<2019.8.26  S>

終戦74年 令和に誓う

 大型台風10号が西日本を縦断した令和元年8月15日。終戦から74年、今年も東京・日本武道館で全国戦没者追悼式が行われた。天皇、皇后両陛下ご臨席のもと全国の遺族、安倍晋三首相らが参列し、先の大戦で犠牲となった約310万人の冥福を祈り平和への誓いを新たにした。
 新聞各紙は1面メーン見出しに「令和」を入れた。令和初、戦後生まれの天皇陛下のお言葉が注目された。

◆【天皇陛下のお言葉全文】
 本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来74年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
 戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

◆お言葉にある「深い反省の上に立って」に、上皇陛下が述べ続けられてきた「深い反省とともに」が重なる。戦後生まれとして直接戦争を経験されていないが、上皇陛下、昭和天皇に連綿とつながり続く、そして未来への新たな深く強い思いが伝わってきた。

◆政府主催の全国戦没者追悼式は1952年(昭和27年、吉田茂内閣)から定着した。
 今年の遺族は4歳〜97歳、4989人が参列したが、その代替わりは年々進んでいる。昭和には過半を占めた戦没者の配偶者は5人、子がほぼ半分になった。戦後生まれが初めて全体の3割を超えた。わずか2%だが、18歳未満の参列者が100人を超えているのが救いか…語り継ぐを思う。

◆西太平洋パラオで負傷兵の看護にあたり、日本に引き揚げてからは長崎の原爆にも遭った96歳の女性は言う。「戦争体験は、自分が生きてきた証…話さないと」。

 忘れてはならない日本の暑い夏。せめてこの日この時期、日本人として思いを寄せたい。

つなぐ祈り 8.15
<2019.8.19 S>

163㌔佐々木朗希投手の夏

炎天の甲子園で、第101回全国高校野球選手権の熱戦が繰り広げられている。その全力プレーだけでなく、アルプススタンドの応援合戦、お国なまりの声援もまたいい。一方で、地方大会も含めた今年の全国参加校数は16年連続減少し3730校、部員が集まらず連合チームも86チームに上った。

◆春のセンバツと違い、夏は一発勝負。負けたら終わりの地方大会を勝ち抜いたチームだけが、甲子園の土を踏める。
その地方大会・岩手大会決勝戦が波紋を呼んだ。花巻東ー大船渡。
花巻東はエンゼルスの二刀流・大谷翔平やマリナーズ・菊池雄星を輩出した強豪校、大船渡は日本最速163キロの佐々木朗希投手を擁する。ところが、甲子園をかけたこの決勝戦で佐々木投手は登板せず、大船渡は2ー12で大敗した。

試合後、国保陽平監督(32)は「投げられる状態ではあったかもしれませんが、私が判断しました。故障を防ぐため」「球数や登板間隔、暑さ気温です」。国保監督の選手の将来を考えた一貫した起用法は勇気ある決断、時代にも合致…甲子園がすべてではない、将来こそ。だがチームとして、決勝戦で佐々木投手が投げられるローテーションはなかったのか⁈

高校ビッグ4、大船渡(岩手)の佐々木朗希投手、星稜(石川)の奥川恭伸投手、創志学園(岡山)の西純矢投手、横浜(神奈川)の及川雅貴投手…甲子園で見られたのは、158キロ星稜・奥川投手だけ。他の3人のピッチングも、やはり甲子園で見たかった。

◆プロ野球3085安打の記録を持つ張本勲氏は「残念、投げさせるべきなんです。監督と佐々木君だけのチームじゃない…」。これに対して、カブスのダルビッシュ有は「(張本氏の発言を)迷いなく、消してほしい」とツイートした。
後に鈴木大地・スポーツ庁長官が日程など含め「高校野球は変わらなければいけない」と求めたことに、「素晴らしい」「健康を維持し輝く選手が増えること。暑い中長時間の練習、何百球も投げさせるのは教育ではありません」。

◆かつて「神様、仏様、稲尾様」や「権藤、権藤、雨、権藤」と言われ、連投に次ぐ連投でシーズン35勝も上げた時代があった。時代だけでは片づけられない、そこにはいくつもの感動ドラマが生まれた。
現役選手としては”短命”に終わった権藤博氏は、後に監督となった時の采配は継投が多かった。投手の継投システムを確立したとも言える。

今年から後半に休養日をつくったが、給水タイムはもちろん高温時間帯の休みタイムなど臨機応変な運営を望む。選手の健康第一に…そして熱球のドラマを。

雄姿 次の舞台
<2019.8.12 S>

やっちゃった 笑顔のシンデレラ

渋野日向子選手が全英女子オープンゴルフで優勝を飾った。弱冠20歳。初の海外ツアー、それもいきなりメジャーVとは恐れ入った。樋口久子の1977年の全米女子ゴルフ優勝以来42年ぶりの快挙だ。

◆初日から2位につけ、あれよあれよと…最終日の18番ホールへの”花道”も笑顔で颯爽と、重圧などないようにバーディーを決めた。通算−18。そしてインタビューに「どうしよう、やっちゃった」。
今の海外ツアーへ道を開いた元日本女子ゴルフ協会会長の樋口は「まるで私たちの時代とまったく違う、新人類だ」と驚いた。

米通算17勝し賞金女王にも輝いた岡本綾子。女子ゴルフ世界ランキング1位になり、渋野が憧れた宮里藍でさえあと一歩で届かなかった。

◆1998年度生まれは女子ゴルフ「黄金世代」と呼ばれる。
渋野は全英女子までに5月、7月と国内2勝。15歳でツアーVの勝みなみ、米ツアー3勝の畑岡奈紗。河本結や原英莉花もすでに国内勝利をあげている…彼女たちはいきなり強くなったわけでなく、10代のアマチュア時代から身体能力、パワーとも十分にあった。

◆岡山出身、身長165㎝。8歳からゴルフを始めた。子どもの時から競技1本に絞る選手が多い中、中学校までソフトボール(投手・右投げ左打ち)との”二刀流”。今もゴルフよりソフトボールが好きと言う。体幹、リリースの筋肉に共通するものがあり生きている。

◆渋野の世界ランキングは一気にアップし14位、畑岡の10位に続き日本人では2番目につけた。横峯さくら、上田桃子ら先輩勢や「プラチナ世代(2000年度生まれ)」と言われる次の世代も追いかけてくる。
来年6月末の世界ランキングで決まる東京五輪代表…強く高いレベルの戦い、うれしい悩みだ。
日本女子ゴルフの黄金時代へ。

自然体の強さ 新時代
<2019.8.10 S>

天馬ディープ 死す

ディープインパクトが死んだ(7月30日)。17歳。人間でいえば52、3歳か。治療していた頸部の手術をし、翌日に突然起立不能に…レントゲン検査で頸椎に骨折が見つかり、回復の見込みが立たないことから安楽死処置が取られた。

◆競馬ファンでなくとも、ディープインパクトの名に記憶がある人は多いだろう。
2005年「無敗の3冠馬(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)」。1984年のシンボリルドルフ以来、日本競馬史上2頭しかいない。
2004年〜2006年の3年間に全14戦12勝(G1 7勝)。残る2戦は、2005年有馬記念2着と世界最高峰・フランス凱旋門賞の3着入線(後に禁止薬物が見つかり失格)。

◆ディープインパクトを語るのに欠かせないのは武豊騎手(50)。互いに認め合い信頼し合った史上稀に見る名コンビ。デビュー戦から引退レース・2006年末の有馬記念まで、全14戦に手綱をとった。「死す」の報に武騎手は「私の人生において本当に特別な馬でした。彼にはただ感謝しかありません」と語った。
ディープの走法は、追い込み・差し。途中は中団から後方を走り、最後の直線一気に加速、次元が違うスピードで他馬を抜き去る。馬体の上下動が少なく沈み込むように駆け抜ける…武騎手の名言「空を飛んでいる」を生んだ。

◆競馬の世界を超えて社会現象にもなった。
「ディープー武」の姿は一種アイドル的であり、競馬場に若い世代が増え華やかさを加えた。ハイセイコー、オグリキャップ人気に続く、第3次競馬ブームをつくったといえよう。
競馬報道は、当時の新聞では専らスポーツ紙の領域だった。一般紙での競馬報道はスポーツ面の域を出なかったが、「ディープー武」は1面に写真付き、社会面でサイド記事と異例の扱いとなった。

◆引退後は種牡馬となり、牝馬3冠・ジェンティルドンナやダービー馬・キズナなどその子たちは大活躍し獲得賞金1位を続けている。

ディープの早い死は、競馬界に大きな損失だが、残した足跡は消えない。お疲れさん、ありがとう。
そして日本競馬界の悲願、ディープが挑んで叶わなかった仏凱旋門賞の優勝…その子たちが成し遂げる日を願って。

夢 時代”飛んだ”!
<2019.8.5 S>

アニメの聖地 世界がエール

突然、多くのクリエイターたちの未来が奪われた。7月18日、京都アニメーションが放火され34人が亡くなり34人が負傷、41歳の青葉真司容疑者の逮捕状を取った。抑えられない怒り、そしてやりきれない思い。

◆アニメ制作会社「京都アニメーション」は創業1981年の”老舗”。京アニと呼ばれ、クリエイターには憧れ、ファンには聖地と言われる。
家族的に仕上げていくチームの絆。東京一極集中の中、京都発・地方発…関西にとって誇りの制作会社だ。
・涼宮ハルヒの憂鬱-兵庫県西宮市では、ファンだけでなく地元住民も悲しみ、怒り
・聲の形-岐阜県大垣市は、すぐに募金箱設置し支援
・らき☆すた-埼玉県久喜市の鷲宮神社にファンらの思いあふれる絵馬
・けいおん!-滋賀県豊郷町の旧豊郷小の黒板に書かれた「頑張れ!待ってる」の文字…聖地巡礼の地は全国に広がる。町おこしの点でも、しがらみや定型の自治体案などは足元にも及ばない。
京アニ設置の専用口座には、1日足らずで2憶7000万円以上の支援金が集まったという。

また海外からもエールがやまない。米アニメ配給会社「センタイフィルムワークス」はクラウドファンディングでの支援が数億円に上っている。中国でも「オンライン販売サイトから作品を買って、京アニを助けよう!」と輪が広がっている。
国内はもちろん、政治に関係なく国を超えた”若い絆”の強さ大きさに驚き、嬉しくホッとする。

◆次々と明らかになる、許せない計画的凶行。
「パクりやがって」と叫びガソリンを撒き放火。下見までし、包丁、ハンマーも発見された。ネットカフェで情報収集し襲撃先を探っていたという。だが京アニとの接点も未だはっきりせず、無差別殺傷だったのか。青葉容疑者の口から動機、真相を聞かなければ…2度と起こさないために。

◆1週間経ってようやく犠牲になった方たちの身元が特定された。時間を要したがDNA鑑定などが必要、家族の感情を配慮して…と。負傷された方とともに家族の方の心身ケアも最優先だ。

不明になっている父はふり絞るように語った。「犯人の事なんて、どうでもええ。早く、娘を返してほしい」。

負けない!つなごう!
<2019.7.29 S>

国託す6年 124人実行こそ!

令和初の国政選挙となった第25回参院選(21日投開票)の翌日、新聞各紙の1面には「与党 改選過半数」「改憲勢力 3分の2届かず」の大見出しが躍った。任期6年、3年ごとに半数ずつ改選する参院選。今回124議席の争い…選挙区(改選74)の内訳は自民38、立民9、公明7、維新5、国民3、共産3、無所属9、比例(改選50)は自民19、立民8、公明7、維新5、共産4、国民3、れいわ2、社民1、N国党1となった。

◆それにしても、争点がかみ合わず盛り上がりに欠く選挙だった。参院選を現政権への是非を問う、と位置づければ消極的信任⁈ 野党の攻めがあまりに弱いと言わざるを得ない…欧米に見られる近代政治・二大政党制には程遠い。
しかし数の民主国家日本。自民・安倍政権の宿願「憲法改正」は、この野党との協議など視野に入れざるを得ない…結果的に選挙前と大きな違いはない⁈

◆どこが勝ったのか…あえて勝利を与党以外で挙げるなら倍増に近い立憲民主党と、7議席から10議席に増やした日本維新の会か。選挙区最後の74議席目は東京の維新の会・音喜多駿氏が当選、神奈川でも1議席を獲得した。比例代表も鈴木宗男氏ら5議席を取り、全国政党への本格的”足がかり”と言えよう。
最も気になるのは台風の目となり得る、2議席を獲得した山本太郎氏代表の「れいわ新選組」。身近で現実的な極めて明快な主張、そしてパフォーマンス。「NHKから国民を守る党」とともに得票率が2%を上回り、公選法上の政党要件を満たした。既存の野党を脅かす存在になってくる可能性がある。

◆関西の維新の強さも改めて感じた。投票終了と同時に、大阪選挙区で東、梅村両氏の当確。大阪市・堺市の大票田での強さは予想以上だった。これで参院大阪選挙区は非改選含め全8議席中4議席となった。風は止んでいない…国勢とは言え、都構想へ前進は間違いない。しがらみのない身を切る改革をどこまでできるのか。

◆選挙区の投票率は48.80%で過去2番目の低さ、情けない。参院選での戦後最低は1995年の44.52%。当時、細川連立政権→羽田短命政権→自社さ連立政権…国の指針が定まらぬままコロコロと政権が代わる政治不信の中での参議院。参院不要論まで”噴出”した。同じでは日本の政治は危うい。

令和 日本の将来よ
<2019.7.23 S>