諦めない 未来へ一歩

◆白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20)が4日、五輪代表選考を兼ねた日本選手権で女子100メートルバタフライ決勝を57秒77で制し、東京五輪代表に内定した。400メートルメドレーリレーの派遣標準記録57秒92を突破、五輪切符をつかんだ。
 ゴールして、珍しく水面をたたきガッツポーズ、ゴーグルを外した瞳には涙があふれた…しばらくプールから上がれず、プールサイドでは声を上げて泣いた。

 復帰初戦となった昨夏の東京都特別大会。痛々しくさえ見える、細くきゃしゃな体を見て、誰がこの結果を予想できただろう。
 「(レース前には)何番でも、ここにいることを幸せに感じよう」と、泳げる喜びをかみしめた。そしてレース後に「どんなに辛くてもしんどくても、努力は必ず報われるんだなあと思った」。

 何があっても諦めない、勇気。

◆ 柔道の世界選手権(6月)代表最終選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権男子60キロ級。3月24日に53歳で死去した「平成の三四郎」古賀稔彦さんの次男、古賀玄暉(22)が初優勝を飾った。
 ヨーロッパのポイント制柔道が台頭してきた時代、一本背負いで「一本」にこだわった父。決勝は竪山将に延長の末、合わせ技一本だった。


 
 インタビューで「何も恩返しできずに亡くなってしまった。何としても優勝したい気持ちでした」と涙…「いつも試合の合間に父が連絡をくれていて、それがないのが寂しかった。でも、今まで以上に覚悟は強くなっていたので、最後まで戦うことができました」と語った。

 恩返し柔の道、背負っていく。

<2021.4.5 S>

諦めない 甲子園の春

球音が帰ってきた!第93回選抜高校野球大会が2年ぶりに甲子園球場で開幕した(19日)。
新型コロナウイルス禍、開会式行進は初日出場の6校だけ、残り26校は大型ビジョン映像で参加した。選手らはPCR検査、入場者数上限を1万人、アルプススタンドのブラスバンド演奏や大声での応援は禁止された。それでも一生懸命に拍手、事前録音のバンド応援などでプレーを盛り立てた。

◆東日本大震災から10年、被災地・仙台育英(宮城)の島貫丞(じょう)主将が、力強く選手宣誓した=以下抜粋。
「…この一年、は日本や世界中に多くの困難があり、それぞれが大切な多くのことを失いました。答えのない悲しみを受け入れることは、苦しくてつらいことでした。…当たり前だと思う日常は誰かの努力や協力で、成り立っているということです。
感謝。ありがとうございます。これは出場校全ての選手、全国の高校球児の思いです。
感動。喜びを分かち合える仲間とともに、甲子園で野球ができることに感動しています。
希望。失った過去を未来に求めて希望を語り、実現する世の中に。

そして、この3月で東日本大震災から10年となりました。日本、世界中に多くの協力や支援をいただき、仲間に支えられながら困難を乗り越え、10年前、あの日見た光景から想像できないほど希望の未来、復興が進んでいます。これからの10年、私たちが新しい希望の力になれるように、歩み続けます。
2年分の甲子園。一投一打に多くの思いを込めてプレーすることを誓います。」

◆”闘い”はまだ続いている。去年の自殺者が11年ぶりに増加、特に女性や子どもたちで深刻だ。失業者も増え続ける状況。経済が厳しい仕方ないではなく、今だからこそ寄り添う心、命を守り救う…それを最優先にする社会でなくてはならない。

10年前、東日本大震災の年に足を運んだ、炎天の夏の甲子園が忘れられない。バックネット裏のスコアボード上には横断幕があった。「がんばろう!日本」。

未来へ 特別の春
<2021.3.22 S>

3.11から10年 誰かのために

 自室の押し入れを探した、10年前の3月12日付新聞。
 2011年3月11日、東日本大震災。筆者は当時、単身赴任で産経新聞東京本社編集局次長として朝刊づくりの準備に入っていた…忘れられない、忘れたい記憶。

◆午後2時46分、産経新聞東京本社の編集局。突き上げるような、突然大きな揺れが来た。初めて命の危険を感じ、階段近くにいたため必死に駆け下りた。外に出て数分、再び編集局へ…全エレベーターは停止、スプリンクラーから滴り落ちる水、まだギシギシと不気味な音が響く階段、上り降りする社員をかき分け12階まで上った。

 「号外だ!」「新聞を作り届けるんだ!」怒号の中、十数分で「列島激震」大見出しの号外を作り上げ、すぐ朝刊本体の作成。騒然とした編集局、何度も来る余震の恐怖の中での紙面づくり。目が血走った記者たちが刻々と変わる状況を追う。ようやく少し落ち着きが出てきた午前2時過ぎ、「福島第1原発で爆発、放射性物質漏れ」の一報。瞬時に判断、1面に短め記事だが大見出しを突っ込んだ。
 何としても伝えるんだ!読者に、そして誰かのために…記者たちが眠りについたのは午前3時を回った。翌日から通常と違う紙面づくり、”長い闘い”が続いた。

◆東北の被災地に比べものにならないが、大都会東京も”もう一つの被災地”だった。
 コンビニなど生活品不足、交通網寸断で帰宅難民。時折鳴り響く余震の緊急地震速報。電力不足に陥り、あわや首都ブラックアウト(全域停電)の危機に怯えた。節電のため、地下鉄までが1ヵ月は薄暗かったはずだ…「普通」の有り難さを知った。

 島国日本、「防災」意識も高まっている。それでもやってくる自然災害。被害を最小化するための準備、避難、地域、連係、耐震、マップ、防壁…「減災」を改めて今、考えたい。

◆3.12から編集局幹部によるコラム特別編「From Editor 3.11大地震」が始まった。書いた何本かの”駄文”の中に、以下がある(抜粋)。
《「昔も今も、また未来においても変わらないことがある。そこに空気と水、それに土などという自然によって生かされてきた。(中略)…人間は助け合って生きているのである」。
 産経新聞記者の大先輩でもある司馬遼太郎さんが、小学校6年生用の国語教科書に書き下ろした「二十一世紀に生きる君たちへ」の一節だ。》
 今年は司馬さんが逝って25年の節目、胸に迫る。

 もう10年、まだ10年。今を生きる我々が、復興を支え抜く思いを新たにする日。

命見つめ つなぐ 
<2021.3.11 S>

宣言解除 スポーツと桜

関西圏など6府県の緊急事態宣言が解除されたが、”手放し”の解除ではない。弥生3月は別れと出会いの季節、かけがえのない時だ…しかし今年はもう一つ、個々が気をつけて動く時。

◆スポーツ界が動き出した。
瀬古利彦や宗兄弟らを輩出したびわ湖毎日マラソン最後のレース(来年から大阪マラソンに統合)が行われ、鈴木健吾(25)が2時間4分56秒の日本新で優勝した(2月28日)。

サッカーJ1がひと足先に先月26日開幕、大相撲三月場所は大阪から国技館に変更し今月14日に初日を迎える。19日にはセンバツ高校野球32校の熱戦が始まり、プロ野球も26日にセ・パ同時開幕する。感染を抑えつつ、観客数に制限はあるが徐々に増加をめざす。

スポーツは踏ん張る力、諦めない勇気をくれる。

その先に、コロナに勝った東京五輪を示したい。だが「勝った」とは一体何を意味するのか…完全な「安全・安心」はない、人知を傾けて少しでも「安全・安心」の形を求める。ただ経済のためだけの五輪はいらない。そして多くの人々が待ち望み、楽しみに感じないなら止めるがいい。

◆3月は桜月(さくらづき)ともいわれる。
多くの花は少しずつしぼみ、枯れていく。桜は決してそんな姿を見せず、一瞬に花びらを舞い散らせて終わり夏に繋ぐ…日本人の死生観。

初ざくら 見つゝもこぼす 涙かな
あこがれの たましひ宿れ 山桜
散る桜 残る桜も 散る桜
家族で、恋人と、一人でも…静かに桜を愛でて命を思う、それもまたいい。

今を生き 春の足音
<2021.3.1 S>

アスリート 橋本五輪会長

 女性蔑視ととれる発言で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任し、橋本聖子新会長(56)が誕生した(18日)。
 橋本新会長は、まさに五輪の申し子。前回東京五輪が行われた1964年生まれ、スケート・自転車競技で冬夏五輪7度出場。森前会長に乞われて政界入りし“父娘”と言われるだけに、後ろに森氏が見え隠れするが…世界の組織委会長と同じ50歳代の新会長。信頼される「安全・安心」な東京五輪成功へ歩んでもらいたい。

◆森前会長の発言には、選手から非難の声、ボランティア辞退。さらにトヨタ自動車やJR東日本…スポンサー側の批判、「彼は去らなければならない」と放映権を握る3大テレビのNBCまで声を上げたことが大きい。頼みのIOCも一転批判声明、内外からの “引導”となった。
 もう一つ、世論にインパクトを与えたが後味がよくなかったのは小池百合子都知事の発言。「4者会談に出席しない」… いわば主催・ホスト側の会議に自ら欠席はあり得ない。秀でた政治嗅覚とも言えるが、他人事の言はいかがなものか。

◆森氏発言は立場上あまりにお粗末。すぐ謝罪撤回したが、何より時代を世界を読み間違えたのは確かだ。一方でこの時期の辞任によるマイナスを”主張”する声がなく、あっても腰砕け⁈ さらに一部メディアが煽り続けた感も否めない。
 
◆開会式まであと約5ヵ月。しかもなお不透明なコロナ禍。どういう形にするのか、矢継ぎ早の決断を迫られる。どうも政治色が目立ち、アスリートが弱い感が拭えない。
 橋本新会長がオリンピアンだからこそ、行える手があるはずだ。経済だけ帳尻が合えばいいではなく、世界最高峰のスポーツ祭典、オリンピック精神をどう繋ぐか。コロナに勝った五輪…至難の業だが、疲れた国民に前を向ける力がほしい。

◆大坂なおみが2度目の優勝を飾った全豪テニスは、準決勝から観客を入れた。当面の試金石としてはセンバツ高校野球、プロ野球…この春のスポーツが注目だ。
 「オールJAPAN」待ったなし。変わらぬものを大切に、変わらなきゃ。

原点へ オリンピック精神
<2021.2.22 S>

つれづれ 喜怒哀楽

◆喜
 白血病から復帰した競泳の池江璃花子選手(20)が、ジャパン・オープン女子50メートル自由形で24秒91で2位に入った。昨年8月の実戦復帰後、初めて表彰台に立った。体重も増え「成長を感じられた…少しずつ上り詰めていきたい」。
 コロナと闘う東京五輪。病と闘う”象徴”として期待されるが、焦らず無理はしないでほしい。20歳、君の五輪はまだまだ先があるんだから。

◆怒
 経済は資本主義社会の根本、大事だ。だがそれだけではあるまい。公のために私を捨てて…ましてや政治家よ、日本人の誇りはどこへ行ってしまったのか。
 国会議員が多勢で酒席、緊急事態宣言の只中に銀座へ。次の選挙では退いてもらわなければ!選挙区民も問われている。

◆哀
 ひょうひょうと生きた旅の画家、安野光雅さんが逝った。94歳。
 「進歩によって失った文化、取り返さねば」…片隅でカレンダー「洛中洛外」が、ふんわりと厳しく語りかけてくれた。

◆楽
 市井の人を描く作家・藤沢周平の作品を読み返している。「蝉しぐれ」「風の果て」…歴史は”勝者”の残したものと言えるが、”敗者”の生き様や幸も深く見つめてくれる。命を繋いで行く意味が静かに伝わる。
 「男はつらいよ」の舞台、老舗料亭「川甚」が230年余の歴史に幕を閉じた。名店が次々と消えていく。寅さんは言っている「たまによ生きてきてよかったなぁ、って思うことがあるだろ!そのために人間生きてんじゃねぇかい」。
 書、映画には励ましの力もある。

諦めない今 春信じて!
<2021.2.8 S>

*コロナ禍の中、この報道コラム「喜怒哀楽」は変わらず人を出来事を見つめていきます。S

前見つめ 2人のエール

■勇気!大阪女子マラソン
 第40回大阪国際女子マラソンは東京五輪代表の一山麻緒(23)が2時間21分11秒、18年ぶり大会記録(野口みずき2時間21分18秒)を更新し初優勝を果たした。

 今回は新型コロナウイルス禍、異例ずくめの大会となった。感染予防の一環として従来の市街地を巡る形から、長居公園の1周約2・8キロを約15周する平坦コース、ヤンマースタジアム長居競技場ゴール。
 42.195㎞。同じ風景の繰り返しにメンタル面の影響を指摘する声も多かったが、初の男子選手ペースメーカーの川内優輝(33)らが的確に、時に声をかけたりしながら引っ張った。

 スタートから一山と前田穂南(24)の東京五輪代表同士の一騎打ち。予想通りとはいえ、数人の選手の駆け引きがないは寂しく、次の世代選手の食らいつきを望むのは欲張りか?!
 一山が”一人旅”の最終盤では、トラックレースのようにラスト1周を知らせる鐘が鳴り響いた…新鮮で、頑張れ!の声援に聞こえた。沿道で応援してもらうことはできなかったが、その思いは選手に伝わったはずだ。
 そしてゴールのスタジアム入り口で、一山のペースメーカー川内、岩田勇治が静かに離れた。大会前に「完走したとしてもゴールシーンに映り込むような無粋なまねはしない。あくまでも黒子」と話したように…今回の難しいペースメーカーの使命を十分に果たした。もう一つの感動、拍手を送りたい。 
 一山麻緒はインタビューで涙ぐみ「大会を開催してくださった全ての方に感謝でいっぱい。私の力 不足で日本記録(野口2時間19分12秒)を更新できず…」と悔しさも見せた。閉塞感の今、その果敢な走りにこそ感謝したい。

 来年は大阪城、御堂筋を再び駆け抜ける!

■田中お帰り!楽天
 米大リーグ、ヤンキースからフリーエージェント(FA)となり、8年ぶりにプロ野球楽天への復帰が決まった田中将大投手(32)が入団会見(1月30日)。「東日本大震災から10年。自分にとって意味のあるタイミングじゃないかと思い、決断に至った。とてもワクワクしている」と意気込みを語った。

 冒頭、三木谷浩史オーナーは「コロナ禍で苦しい中、楽天に帰ってきてくれるということで、男気、心意気にも感謝している。東北、日本、世界を熱くする投球を見せてくれると思う」と期待を込めた。
 日本球界史上最高となる推定年俸9億円(推定)での2年契約。

 会見では2013年楽天を去ったときに、また戻るという思いはあったかと聞かれ「日本に必ず帰り、キャリアの晩年ではなくいいタイミングでばりばり投げたい思いはあった」。
 「(2年契約だが)1年が終わったらまた話をする機会をもらっている。どうなるかわからないが、米国でやり残したことあると思っている。選択肢は捨て去りたくなかった。腰掛けではなく、本気で日本一を取りに行きたい」。
 さらに東京五輪への意気込みも語った。「2020年では出られない立場にあったなか延期になり、日本球界に戻って出るチャンスがある。心から出たいと思っている。2008年北京五輪では悔しい思いをした。金メダルを取りたい」。
 そして8年前、最後にキャッチボールをしてから渡米した、亡き野村克也元監督に話が及ぶと「野村監督の下でプロのキャリアをスタートした。感慨深いものがあった。監督の教えとして、外角低めに投げる練習は胸に刻み込んで続けたい」。

 言葉を選んで話した記者会見。駒大苫小牧のマーくんの姿はなく、今やメジャーを代表する投手である自信の表れ、風格が漂っていた。
 日米177勝(メジャー78勝、日本99勝)。baseballの世界で堂々たる成績の実力、日本の野球界にも大きなものを伝えてくれるのは間違いない。

止めない スポーツの力
<2021.2.1 S>

*コロナ禍の中、この報道コラム「喜怒哀楽」は変わらず人を出来事を見つめていきます。S

家族 「諦めんだら」

  “巣ごもり”という訳ではないが、映画「浅田家」を観た。写真家・浅田政志さんの写真集『浅田家』と『アルバムのチカラ』が原案、監督は中野量太、主演に二宮和也。観終わって何とも言えず…ホッとした。

◆家族の写真を撮り続けた、写真家の実話。
 一生に一度しかシャッターを切れないとしたら…なりたかった職業、やりたかったこと、家族それぞれのコスプレ写真。父(平田満)の夢、消防士姿にウルっときて、母(風吹ジュン)の極道一家で爆笑した。その写真集が2008年「木村伊兵衛写真賞(写真界の芥川賞)」を受賞する。

 そして東日本大震災(今年3.11で10年)でガレキに埋もれた泥だらけの写真を洗い、家族に返すボランティア活動を通し父を亡くした少女との交流。岩手県野津町では、約8万枚の写真のうち約6万枚が家族の手に戻った。形は変わっても、今もなお続けられているという。

◆ 俳優や映像に何の飾りもなく、派手さはなくインパクトもない。それぞれの事情を持つ普通の家族に寄り添い、政志(二宮)は撮り続ける。東日本大震災で心に傷を負った人たち、撮影に入ると少しずつ家族の絆が浮かび上がる。苦悩の中、その笑顔が美しい!
 
 台詞も淡々とした当たり前の言葉だからこそ、沁み込んできた。
 政志(二宮)が兄・幸宏(妻夫木聡)に語りかけるシーン。「普通って何なん?」そこから家族、人々との交流が続く。兄・妻夫木が定職に就かない弟・二宮に語りかける、肩の力が抜けた自然体の演技がいい。
「父ちゃんも母ちゃんも、お前が頑張れば自分の事のように喜ぶ。ダメになったら悲しむんや」。
「諦めんだら、失敗やない」。

◆舞台は、原案の写真集を出した浅田政志さんの故郷・三重県津市。
 かつて夏の高校野球県大会決勝戦は決まって津市営球場(空襲で消失した東洋紡績工場跡地、現津球場公園内野球場)で、昭和の頃は石のスタンドだった。近くの鈴鹿サーキット場は”自由に”車で入れた。デカい津餃子、松阪牛…思い出も多い。だが、津は文化施設も集まる県庁所在地なのに、今ひとつ地味で特徴がない。津にこんな所あった?と新発見、やや分かりにくいが微妙な三重弁もいい。光が当たった!

 日本の最大課題は「少子高齢化」と言い続けてきた。映画やドラマの舞台やロケ地になっている地方都市は多い。初めこそエンタテインメントの力で観光客含め人が集まってくるが、いつの間にか徐々に忘れられていく。今改めて地元の民間力とともに、人、物、金…地方創生!そろそろ真剣に国・自治体も何とかせいよ。

◆容赦ないコロナ禍の現実、もうだめだと思う事があるかも知れない。だが、決して1人ではない。やるべき事やれる事を一歩ずつ…諦めんだら、未来はある。

命と絆 上を向いて
<2021.1.25 S>

*報道コラム「ニュース喜怒哀楽」は、変わらず人を出来事を見つめ続けます(原則月曜・不定期)。

「がんばろう 1.17」 命の灯


 6434人が亡くなった阪神淡路大震災は17日午前5時46分、発生から26年となった。神戸市中央区の東遊園地で行われた「1.17のつどい」では、竹灯籠に紙灯籠も加わり灯った「がんばろう 1.17」の文字が浮かび上がった…もう26年、まだ26年。
 新型コロナウイルス禍の中、人の密に配慮し「つどい」は前日から始まった。緊急事態宣言下で規模縮小や中止の所や、例年と違う形になった所が…それでも続けること!記憶と教訓を改めて胸に刻んだ。

◆京都・清水寺貫主の揮毫による年の瀬風物詩「今年の漢字」は、阪神大震災の1995年に始まり、「震」…この年は地下鉄サリン事件など重大事件、イチローらが「がんばろうKOBE」を合言葉に神戸が本拠地のプロ野球オリックスが優勝した。そして3月11日に10年となる東日本大震災2011年は「絆」だった。
 被災した方々の高齢化が進み、神戸市民の約半数が震災を経験していない人になっている。文字よりも、現実は厳しく容赦ない。真の「絆」は今も求められている。

◆「つどい」には遺族代表の加賀翠さん(65)が長男の亮さん(20)とともに出席し献花した。コロナ禍のため、亡くなった長女・桜子ちゃん(当時6歳)や犠牲者に向けた「追悼のことば」は会場では朗読されず、神戸市のホームページで公開された。

【追悼のことば】(抜粋)
 震災後程なく、桜子が夢の中に出て来ました…しばしば夢に出て来てくれまし た。それは私にとって非常に幸せな時間でした。
 それがある日、桜子は「ちょっと出かけて来ます。」と言い、夢に出て来なくなりました。それは、2ヶ月ほど続きました。後日、何人もの幼稚園のママ 友から「丁度その間、桜子ちゃんが夢に出て来たよ。」という話を聞きました。また、父が亡くなってから、桜子はほとんど夢に出てくれません。おそらく 「じいちゃん、じいちゃん!」って、父と天国で楽しく過ごしていることでし ょう。
 長い間、私の中での桜子は6歳の姿のままでした。中学生になり背の高くな った桜子の友達を見て、お正月の柳箸を大人用に代えましたが、やっぱり6歳 の姿のまま。12 歳離れた弟が中学生になり私より背が高くなっても、やはり私 の中での桜子は6歳の姿でしかありませんでした。
 それが震災 20 年目のある日、26 歳になった桜子の友達がお子さんを連れて来 られ、桜子の一番の友達も結婚しました。その時、急に私の中で桜子は 26 歳の お姉さんになりました。今生きていたら桜子は 32 歳…また、私が桜子を出産したのは 33 歳でした。桜子も今生きていたらこのような感じで生活しているのかなと思います。
 桜子、そうチビちゃんはとても優しい子だったよね。震災後、幼稚園の先生 から「転校して来た子に最初に声をかけてあげるのはいつも桜子ちゃんだった。」 と聞きました。また、近所の人から「街の太陽だった。ちょっと人の顔が見え たら挨拶して、可愛らしくてね。」と言われました。桜子はいつもにこにこして…だから 私も泣かずに、出来るだけ桜子のような笑顔を心がけています。そして、迷っ た時は桜子だったらどうするかなと考えて決めています。
…今このコロナ禍、天の配剤だと思って、少し立 ち止まってゆっくりするつもりです。だから桜子もじいちゃんと夢に出て来て 下さい。32 才になった姿を見たいです。そして今世界中が大変な時、何卒皆で 私達を見守って下さい…。

◆せめてこの日、起こったこと関わった人を想い出す。そして誰かのために何かを行う…命を見つめ続ける、それが防災減災にもつながる。

今を乗り越え 継なぐ
<2021.1.18 S>

再発令下 負けるな新成人

 新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、東京など1都3県の首都圏に緊急事態宣言が再発令された(7日)。その2日後には大阪、兵庫、京都の関西2府1県も政府に要請した。
 幅広く自粛要請した昨年4月の発出時と違い、今回は夜の飲食店”ピンポイント作戦”。医療機関崩壊危機の中、感染封じ込めと経済維持のバランス判断と言えるが…特措法改正も急がなければならない。

◆歴史上稀にみる厳しい状況下、11日は成人の日。
 1948年(昭和23年)の祝日法で「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」ことを趣旨としている。例年、豪雪や帰省しやすい時期を考慮して大型連休中やお盆の時期に行われる地方も多い。
 2021年(令和3年)の新成人人口は124万人(総務省)。前年比約2万人増だが、総人口に占める割合は11年連続で1%を下回った。

◆関西でも大阪市などを始め、全国で成人式、集いの延期が相次いだ。東大阪市では屋外の近鉄花園ラグビー場で、兵庫県西宮市は阪神甲子園球場で、またオンラインなどで行われた自治体もあったが、例年とは”一変”した。式の後、マスクを外し騒ぐ”荒れた”所もあったが…。
 久しぶりの旧友との再会、ずっと楽しみにしてきた晴れ着… 出席できないようなことがあっても中止になったとしても、堂々と大切な今をそれぞれの想いをかみしめてほしい…1人だけではない、決意と感謝の誓い。親はもちろん大人たちにとっても、20歳の揚々たる前途にエールを送り祈る日だから。

◆白血病と闘い、 新成人となった競泳の池江璃花子選手「悔しい思いをしたり、気持ちが落ち込んだりすることもありました。そんな時こそ、目標を忘れず失わない…それが一歩前に進ませ、大きくしてくれるものだと思います」。
 ゲーテ「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる」。

可能性は無限   祝20歳
<2021.1.11 S>

*令和3年おめでとうございます。報道コラム「ニュースキャプテン 喜怒哀楽」は、変わらずに人を出来事を見つめ伝えていきます(原則月曜・不定期)。S