新版画展 美しき日本の風景 

「あっちこっち行ってみ~」では京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接の美術館「えき」KYOTOで行われている
「新版画展 美しき日本の風景」をご紹介しました。

「新版画」という言葉を恥ずかしながら初めて聞きました。
日本で版画といえば浮世絵のイメージですが、その技術を持って明治・大正・昭和に生まれた新しい版画なんだそうです。

それは本当に美しい作品でした!
今回の展示では川瀬巴水(かわせはすい)と吉田博の作品を中心に約100点が紹介されています。

風景画の川瀬は「風景が版画にみえるようになってきた」と語るほど全国各地をスケッチしました。作品には自然と人への暖かなまなざしが感じられる、独特のしっとりとした叙情性をもってえがかれています。

海を描けばその波音が聞こえてきそうな、子守の少女の背中で眠る赤ちゃんの寝息が感じられるような、やさしさが感じられます。

また、その色遣いも独特で、特に‘藍色’をつかった陰影はとても美しいものがあります。

一方、海外で活躍中に日本の新版画に出会い、改めて新版画に取り組んだ吉田博の作品は、彼が元水彩画を描いていた特徴がよくでています。版画とは思えない微妙な色合いやぼかし、グラデーションが見事です自らが登山を楽しむ吉田ならではの作品は、他では見られない視点です。

一般的に10~20回摺重ねる版画ですが、吉田は30~40回摺っていたそうです。
今回展示されている「陽明門」は96回摺り重ねています!

新版画を語る上で大切なのが、版元の渡邊庄三郎の存在です。
江戸時代に興隆を極めた浮世絵が、西欧から導入された写真機や石版画などの普及したことで、明治時代には衰退の一途を辿りました。それはあまりに残念であると、大正時代になると伝統的な木版画の復興を目指す「新版画」が生まれます。提唱したのが版元渡邊庄三郎でした。

関東大震災で渡邊版画店は全焼し、作品や研究資料の大半を失いましたが、いち早く店を立て直し、新版画の復興に全勢力を注いだのが渡邊でした。
気力を失った川瀬を励まし、スケッチ旅行をすすめたのも渡邊でした。
ですから、現在新版画を見ることができるのは、渡邊の活躍なしにはありえないんですね。

あの、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、マッキントッシュお披露目のプロモーション写真に、来日した際購入した樋口五葉の「髪梳ける女」を使いました。
その後も度々日本を訪れては、新版画を購入していました。

また、あのダイアナ妃の執務室に新版画が掛けられていたのも有名なエピソードです。

新版画のジャンルは浮世絵に従っているので美人画や役者絵もありますが、
今回の展示では風景というテーマに注目し、浮世絵とは違った新しい形で表現した新版画の魅力に迫っています。

関西では珍しい新版画の展示です。
ぜひお出かけください。

京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接

開館時間 午前10時~午後8時 (入館締切:閉館30分前)
休館日 ジェイアール京都伊勢丹の休業日および展覧会準備日

アクセス JR、近鉄、京都市営地下鉄烏丸線「京都駅」下車すぐ

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♪今日のオンエア楽曲♪
 1. シャツを洗えば / くるりとユーミン
 2. 気分は逆光線 / 来生 たかお
 3. シンシア / 原田 知世
 4. カーマは気まぐれ / Culture Club
 5. Someday / 佐野 元春
 6. 無言坂 / 香西 かおり
 7. ベイビイ・レイデイ / 上田 正樹

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